人を信じるってどういうこと? 私が勇気を出して本音を伝えたら絶対謝らない理由

今日は私が普段のコミュニケーションで意識していることについて書いてみます。人を傷つけるのが怖くてなかなか本音を言えませんという方向きかな。または人の評価を気にして、何かにつけてすぐ謝ってしまう方向きの記事。

 

私は、普段「自分が真摯に本音を伝えたら、例えそれに対して相手が怒ったり、不快な感情を露わにしたとしても謝らない」ようにしています。何故なら、謝るって自分の罪悪感を消すためにとる行動だと思っているから。そして謝ることは、時に相手へ「あなたの受け取る力を信じきっていません」と伝えることにもなりかねないと思っているからです。

 

もっと若い頃は「面倒くさいことは嫌だから謝って済ませよう(^^)」っていう、「謝ることは時にコミュニケーションをスムーズにするんじゃないか」と思っていたこともありました。 (今はそういう対応をしないと繋ぎ止められない関係性がいらないのでやらない) ただ、ファシリテーションを学び始めてからというもの、いちいち自分の行動の意図や意味を考えるようになってしまい…(笑)、私は人目を気にして謝ることがあるなぁと気づいてしまいました。

 

「自分の罪悪感を消すために人に謝ることはもう辞めよう!」という決定打となったのは昨年参加したArt of hosting Nagatoroでの出来事がきっかけです。

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Art of Hostingでは様々な手法を使って対話を繰り返していくのですが、OSTという自由形式で対話を行っていた時に、どうしても集まって話ししているテーマと別のことを気にされて話をしている人のことが気になり、自分の中で起きたモヤモヤを感じた挙句に思い切って「今、XXさんはご自身の心配事を話していませんか?提案したテーマと関係のない話をしていると思いますが、どうしますか?」みたいなこと ( …のもうちょっときつい感じの…ことを…) を言ったんですね。

 

 

 

そしたらその場にいた方が何名かさっとその場から去ってしまったのです。

 

 

 

 

 

・・・(;_;)

 

 

 

 

 

OSTは、「その場に貢献できないと感じたら、別のテーマが話されている場所に移っていい」ものなので、別に移動はいいのですが、自分が思い切って発言したことで人がいなくなってしまい、その時の私は少なからず打撃を受けました。

 

 

で、その夜寝る前に1時間位ぐるぐる考えたのです。

 

 

 

謝ろうかどうかを…。

 

 

 

 

うーん。自分よりかなり年下の私にいきなり「関係ない話している!」なんて言われて「なんだこの失礼な女は!」と思われたかな。どうしよどうしよ。えー、でもちゃんと考えに考えて伝えたつもりなのに…受け取ってもらえなかったのかな。言い方がきつかったのかな。もっとほら…「テーマに沿った話ししましょうよ(にっこり)」とか?言い方があったのかな。嫌な気持ちにさせちゃってたらどうしようどうしよう…。明日失礼なこと言ってすみませんって謝ろうかな。あ!ちょっと待った!今、私自分の罪悪感を消したい、自分が嫌な人に思われたくないから謝ろうとしてるよねこれ。XXさんが受け取れなかったと疑ってないこれ??やっぱやめやめ!謝るのなし!!

 

↑ みたいな脳内会議をずっとやってたのです…。本当、我ながらただのチキン野郎ですね。

 

で、脳内会議の結果「勇気を出して謝らない」に決定。翌日からその人を見かけると「失礼なこと言ってすみません」が口から出そうになるのを抑えて謝らずにいました。

 

 

 

するとその翌日の夕方に何とその人がそっと私のところにきて

 

 

「昨日はあの場で言ってくれてよかったよ。ありがとね」と…

 

 

 

 

 

・・・(;_;)

 

 

 

これには本当、泣きました。と同時に「どうして私は自分のために謝ろうとしたんだろうか」「この人が受け止めてくれてないと疑っちゃっていたんじゃないか」かなり恥ずかしくなりました。

 

 

 

真摯に本音を伝えて受け取ってもらえた、という経験が体験として身体にバシッと入ったので、この時から「あ、今自分の罪悪感を消すために謝ろうとしている」と感じたときは謝るのを辞めました。( ※ただしこれは伝える前に自分の内側を感じて、自分なりに誠意を込めて本音を言ったとき、です。不用意に発言して自分が悪かったと思った時にはちゃんと謝りますよ(笑)!)

 

相手には受け取る力があるはずだし、自分が気持を込めて伝えたことを謝るということは、自分に対しても不誠実だなと思ったのです。

 

 

本音を伝えるとは「私はこう思う、こう感じた、こう解釈した、こう見えた」と自分に起きたことをそのまま伝えること。それを言葉にして、受け取れない相手とは付き合う必要ないと思っています。相手がどう受け取るかまではこちらでコントロール出来ないし、怒ろうが傷つこうが相手の問題で、私がどうこうしてあげる必要は全くありません。

 

 

例えば、誰かが私に「げんちゃんって背が高いですね」と言ったとします。もし、その時点で私に「『背が高くていじめられた経験』があったらどうしますか? 私、思い出して傷ついちゃいますけど…」

 

そしてその後「背が高いところがかっこよくてステキ♡」と言ってくれる恋人が出来た経験ができたらどうなりますか?」同じ言葉を言われたとしても今度は「褒められてる♪」と捉えるかもしれません。 ( ※ちなみにどちらの経験もございません)

 

「どう受け止めるか」は相手の経験、価値観、その時の状態により変わるので、相手がその人のタイミングで受け取るのを信じて伝えるしかないのです。

 

あなたはどれくらい周りの人に「本音」を伝えていますか。日本では「ごめんなさい」を言う文化なので、私たちは気軽に「謝ってしまう」ことも多いのではないかと思います。一歩立ち止まって「今、どうして『ごめんなさい』と言おうとしている?」のかを考えてみてください。

 

もしかしたらその一言は、自分にとっても相手にとってもいらない一言に変わるかもしれません。

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