チェックイン・チェックアウトって何で必要なの? ファシリテーターが直面する質問あるあるその1.

げんどう ゆうこのアイコン画像げんどう ゆうこ

今回はワークショップやイベントなどで良く使われる ” チェックイン・チェックアウト” について書いてみました。この記事は2014年に公開して以来、私のブログの中で人気No1の記事になっています。( 読んでくださった皆さん、ありがとうございます!)

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チェックイン・チェックアウトって何?

会議、イベント、セミナーなど場作りのはじめと終わりによく行なう「チェックイン・チェックアウト」という方法があります。

本題に入る前に、前の時間と気持ちを切り替えてこれからの時間に意識を向けるために、お互いの状態や気持ちを共有する時間をとるという方法。ファシリテーターやワークショップのコーディネーターなど場作りについて学んだことがある人が最初に知る「やり方」の1つだと思います。

そこで、ファシリテーターの皆さんに質問なのですが「なぜやるのか?」って自分のコミュニティのメンバーに聞かれたらなんて答えていますか? 今回はそれを教えてもらいたくてブログを書きました笑。

何でも新しいやり方を組織に持ち込もうとすると必ず 「は?何それ?」って言い出す人がいます。「やると何か意味あるの?」とか。

セミナーではたいてい学習欲が高い人、素直にその場で実践してみようという人しかいないです。なのでその場ではスッと出来ることが、持ち帰って自分のコミュニティに取り入れようとすると難しい、というのはファシリテーターあるあるじゃないかと思います。

まず、初めての方のためにチェックイン・チェックアウトのやり方を書いておきます。

チェックイン・チェックアウトとは?

参加者同士の気持ちの調整のために、話し合いのはじめと終わりに、全員が一言ずつ今の自分の状態、気持ちをなど自分のことを共有する時間をとる、という手法

STEP
ヒエラルキーのない座り方をする
STEP
話したい人から話す
STEP
気持ち」を共有する ( 今の自分の状態や、感じていること)

単純なステップに見えますが、この方法は場に対するいくつかの意図があります。まず、1ですが環境は人の心理に影響を与えます。例えば、全員が輪になって座っているシーンと、代表が前に1人で立っていて残りのメンバーが前に座っているシーンを思い浮かべてみてください。参加者同士の関係にもよりますが、前者と後者では話しやすさに影響があるはず。チェックインはなるべく心理的に全員が平等に感じやすい場にすることがポイントです。

次に2ですが、ありがちなのが進行役が指名するという方法。やりがちなのですが、「参加者の中で自発的に発言をする体験をする」ということが大切なので、待つことも大切です。(もちろん、時間の関係上指名するのはNGではありません。)    

3は、以前こちらのブログにも書いたとおり「事実」だけでなく感情を言葉にしあえる関係性の方が関係性が強く、コミュニティとして良い状態になるので、なるべく「事柄」だけじゃなくて「感情」まで共有してもらうような進め方にすると良いでしょう。

例えば、参加者の1人が「最近週の半分は終電帰りで忙しいです」と発言したとします。これは「事柄」だけ。でも「終電帰りで忙しいので、すっごく疲れてて辛いです…涙」(事柄+感情) かもしれないし、「終電帰りで忙しいので、あんまり寝てなくてテンションMAXです!」(事柄+感情) かもしれない。 後者の状態まで把握できていた方がお互いに思いやれて、会議を良い時間に出来ますよね。

なんのためにやるものなの?

私は自分のチームでミーティングを実施するときは、チェックインで近況と今の気持ちを2分程度、全員が話をしてからミーティングをするようにしています。チェックインにはその場に入る、切り替えるという意味がありますが (ホテルでも入館するときの手続きをチェックインと言いますよね) それ以外にいくつかの目的もあります。

今の状況を把握しあうことでお互いを気遣いやすくし、打ち合わせをやりやすくする

参加者の中にちょっと不満そうな顔をしている人がいる → チェックインで「すみませんがちょっと今日は体調が万全じゃなくて…」という話があったらどうでしょうか?周りも少し安心しませんか?

発言する意識をもってもらう、また自発的に発言しやすくする

会議に初めて参加する人がいたとします。いきなり会議で「どう思う?」と意見を発言するよりも前に、その参加者の中で自分の発言を聞いてもらう体験をすることで、その参加者の中で発言をする心理的ハードルを下げるという意図があります。

また、前述しましたが指名されるという受動的な、ではなく能動的に発言をする体験をするということで「その場の1員になる」(ならせる、ではなく)ということもありますね。

より良い関係性の組織を目指していくた

大げさかもしれませんが、こういう小さなコミュニケーションの積み重ねが良い関係性の組織を作り出していくのだと思います。ちょっとしたことであっても 1人1人の気持ちをききあっている体験を積み重ねているコミュニティは強い。人が力を発揮するための第一歩は「こういうのどうかな?」という発言ができる ( = 自分の話を聞いてもらえる環境がある ) ことだからです。

( 会社で上司に対して「この人には何でも話せる!( = きいてもらえる) 」と感じている場合と「こんなこと話していいかなぁ」と感じている場合の、どちらが自分の力を発揮しやすいかを想像してみると分かりやすいと思います )

いかがでしょうか。ちょっとしたやり方であっても、そこにはその場を本当に大切に想っている人の意図が仕掛けられているものなのです。

自分を感じようとしない人の存在感は軽い

最後に以前見つけたミルフィユという冊子に載っていた言葉で、私が場作りの際に意識している言葉をご紹介させていただきます。

 自分を感じようとしない人の存在感は軽い。そういう人が多数集まると、耐え難いほど軽い場が生まれる。でもそれでは、生きている甲斐が感じられない。生き生きとした場をつくりたくない?

はい。私も、イキイキとした場をつくりたいんです…!みなさんは、どうですか?

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対話ができる関係性・チームを築くために ワークショップデザイン × ファシリテーション でサポートする人。 プロフィール

このブログでは仕事の裏の学びや暮らし、自分の好きなことについて書いています。記事のシェアも嬉しいです!

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