Howを教えてもしょうがないってそれ、本当? 本質を伝えたいなら、私はHowから教えるべきと思う。

[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0028_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回は今の仕事について思うことをちょっと。たくさんのことを学んでいると、どうしても難しいことを伝えようとしてしまう。でも異なる分野の人に伝える一歩は簡単なHowを教えてあげることでもいいんじゃないかなぁという記事です。[/voice]

 

私の周りは独立して働いているコンサルタントや研修講師の人が多いです。分野としては組織開発や、組織文化に関わる仕事なので、対話の場のデザインに関わる人や、チームビルディング、チームの関係性を扱うセッションを行う人が多い。

 

そして、よく聞かれるのが「Howをそのまま教えるのって、あんまり意味がないじゃん」とか「本質を捉えてもらわないと」「具体的にどうするかは考えてもらわないと」と言う意見。比較的経験が多い方、または外部支援者しか経験したことがない人( or 外部支援者としての年数が長くなりすぎちゃって現場の視点を忘れちゃってる人) がよく発言する印象があります。

 

この意見、言ってることは分かるし、そうなんだけど個人的には反対派。割と仕事をする上で自分なりのこだわりポイントなので、ブログ記事で言語化しておきたいと思います。

 

私は、企業の現場で悩んでいる人がいて、自分なりに学び得ている方法でそれに対応できそうな方法があればそれを渡すようにしています。なぜなら、現場の人が直面しているのは「明日、どうにかしたい課題がある」「すぐ対応したいチームがある」ということ。外部支援者の人ってこの「現場の切実さ」に疎いし、そこに寄り添う力が弱い印象があります。

 

「お前も外部支援者じゃん」ってツッコミが入りそうですが、まぁそれはそうなんですが、私は外部支援者としてサポートするときに、なるべくこの「現場の切実さに寄り添うこと」を大切にしています、と主張したいんです。

 

具体的には、自分が伝える手法をなるべく分かりやすく視覚化、言語化する、現場と結びつきやすい具体例を用いて説明することを心がける、現場で取り入れると良いスモールステップを提案するなど。

 

逆に言うと、自分が伝える手法を自分が伝えたいように伝える(こちらの意図通りに使ってくださいと言う人)、抽象的なままふんわり伝える(「ご自身で感じてください、以上」って人 )、現場でどうするかはお任せしますと言うスタンスがあまり好きではないのです。後者のような伝え方で伝わる人もいると思うので、そう言う人がいてもいいけど、私の担当ではないですね。

 

私は、職歴でいうと今はコンサルタントの職歴が最も長いのですが、私が働く上での在り方やスタンスはサービス業界で磨いたという自負があり、サービス業界出身であることに今でもプライドを持っています。(つまり、外部から関わるだけではなく、自分がお客さんのニーズに直接答えたり、働くチームを良くしていくことの実践者である経験を大切にしている、という意味。)

 

また、組織開発の分野に関心が高くなったのも、「自分がリーダーのチームを何とかしたいと思ったから」つまり、自分自身が実践者として悩んだ時期が長かったことが、今の仕事のスタンスを作っています。

 

だから、「Howをそのまま教えるのって、あんまり意味がないじゃん」とか抜かす外部コンサルタントの人には本気で椅子をぶん投げたい衝動に狩られます♡  (←優しく伝わるように♡つけてみた笑 )

 

なぜなら、物事の本質を体感していくには、習慣・行動を重ねるしかないから。

 

例えば、よく企業のチームビルディングなどで「お互いの感情を伝えあうことが大切」ということを伝えたりしますが、「感情を伝え合うことの大切さ」は、実際に参加者がチーム内で感情を伝えあい、その結果チームにプラスの効果があったという経験を得て初めて、本質的に伝わった、と言えます。

 

「お互いの感情を伝えあうことが大切」だと講師側が説明を尽くして伝わるのは、聞いている側に「チーム内で感情を伝えあい、その結果チームにプラスの効果があった」経験があり、かつその人の説明を聞いてその経験と結びつけることができた、時だけ。

 

感情を語ることの重要性を語るより、チェックイン・チェックアウトを一緒にやってあげる、とか。実際に講師が自分の気持ちを語るとか、研修やセッションで参加者が感情を伝え合う設計にするとか、具体的にどうするかをたくさん提示したり、そこまで参加者が掴めるようにデザインする。具体的な行動が変わって、習慣となることで本質を体感していくわけです。

 

別の例をあげると、「コーチやファシリテーターは在り方が大切」ということがよく言われます。この意見自体には「その通り!」と思ってますが、これは、私が「在り方が大切」と体感できるまでHowを実践したからそう思えるようになった、と言えます。

 

コーチなら、これまでと違う問いかけを人にすることで、話し手の話す内容が変わるなと気づく。それを繰り返していくと、「あれ、自分はこの問いかけをよくするな」とか「自分のセッションはこういうパターンが多いな」と気づいていく。「それってどうしてだろう?」と考えてみることで、自分の無意識の思い込みや癖、価値観がよくしがちな問いかけを選んでいると分かり、コーチはその人の在り方がセッションに大きく影響を与えると体得していくわけですね。「在り方が大切」と先に分かったんじゃありません。

 

 

関係が大切です、と話すより「なぜ大切で、どう変化が起きるのか」を説明してあげる

 

振り返りの重要性を語るより、KPTを一緒にやってあげる。

 

自分の内面を語りましょうと説き伏せるより、チェックイン・チェックアウトをやってみる。

 

人が本質に気づき、体感してくのはHowが身体に染み渡ってから。自分が本質まで辿り着いたからってそっちから得てくださいとか、講師側のエゴでしかないと思っています。

 

 

確かに、本質的なことは言葉では伝わらないもの。だからと言って現場への伝え方を探求することを怠るのは怠慢でしかないし、プロじゃない。なので、私がやっているシステムコーチング®も、人に説明するのが難しいのですが、なるべくどう伝えたら分かりやすいか、現場に響きやすいか、導入しやすいか、はずっと考えるようにしています。( 割と「言語化ができない分野だから〜」と言い訳かます人がいるんですが、ただその人が怠慢なだけでそこまでしたいと思っていないだけだと捉えてます。そこまで追求したいと思えるほどじゃないなら天職じゃないからさっさと辞めればいいのに…。宇宙目線でみたら一人一人が魂のパワー発揮してないって損失なんで、その人がフルパワー注げることをやってほしい。)

 

 

今日のブログは、私を知る人にとってはちょっと矛盾を感じる記事なのではないかと思います。というのも、私自身は、この記事でも書いた通り自分自身はHowを習う講座にたくさん行くのは控えているし、私が研修や場を設計する時には、Howを教えるよりも体験学習で参加者自身が学んでもらうことを中心に行なっているからです。ただ、企業の中で現場の実践者を助けるという意味では、時にHowや具体的な手順を教え、時には一緒にやってみることを大切にしているんですね。

 

 

私は、今年1年は、外部支援者の仕事もしているのですが、1社だけ自分が内部の実践者としてサポートをする契約をしています。この契約を受けようと思ったのも、「外部支援者として支援するためには、外部支援者としての経験しかないのは弱い」と考えていたから。

 

25歳からコンサルタントとして、27歳からフリーで仕事をしているのですが、少し外部支援者として働く時間が長くなってきたため、より自分が大切にしたい「現場の切実さに寄り添えるファシリテーター」になるために今回の契約をしています。

 

 

この辺は、周りの外部支援の人とちょっとだけスタンスが違うところのように思ったので、自分の大切にしたいことは書き記しておきたいと思い、記事にしました。もちろん、別のスタンスの人がいたって構いません。むしろ、きっとそこは私自身ができないところなのでよろしくお願いします m(_ _)m という気持ちです笑。

 

 

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対話ができる関係性・チームを築くために ワークショップデザイン × ファシリテーション でサポートする人。 プロフィール

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