リフレクションって何で必要なの?ファシリテーターが直面する質問あるあるその2.

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先日ファシリテーションの手法の1つ、チェックイン・チェックアウトについての記事を書きました。今回は特に対話の場で、内省的に学びを深めるために使われる “リフレクション” について書いてみます。

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リフレクションって何?

先日の記事ではチェックイン・チェックアウトのご紹介をしましたが、今回はリフレクションの話です。

コミュニティや組織のリーダーの多くは「メンバーがもっと自分自身で考えて行動してくれたらな…」と思ったことがあるのではないでしょうか。

または、ファシリテーターとしてどこかのチームに関わるとき「参加者がその場から学んで今後につながるものを持ち帰ってもらいたいな 」と考えたことがあるはず。

もし、そんな感じたことがある人で現場にリフレクションを取り入れてないとしたら、今すぐ取り入れましょう。

今すぐ取り入れましょう。

今すぐ取り入れましょう。

大事なことなので文字を大きくして3回書いておきました。それくらいリフレクションは大切です。

そんなわけで今回は「リフレクションやろう!」と現場で言ったら 「は?何それ?」って言われちゃった場合の説明方法を考えてみようと思います。

まず、そもそもリフレクションを初めて聞きましたという方のために簡単な説明を。

リフレクションとは?

体験したこと、起きたことを振り返り、経験したことから何を学んだかを明らかにすること。またそこから次に反映させるアクションを見つけていくこと

※「振り返り」と同義で使われていることが多いと思うのですが、次のプロセスに反映させることを意識するためにこのブログではリフレクションという言葉にします。

これまで「何が起きたか」「どう感じたか」「そこから何を学んだか」ということを内省したり、皆で話をしたりして次に活かすことを決めるのが一般的。ただ、学ぶ目的で実施するときは必ずしも次の行動を決めるわけではありません

なんのためにやるものなの?

リフレクションの方法はいろいろありますが、完全な私の主観によりますと有名なのはKPTとYWT2つじゃないかと思います。あとは最近ならORID (オーリッド) とか。

方法は検索すればいくらでも出てくるので、ご自身で検索していただくとして(笑)、みなさんは「リフレクションって何でやるんですか?」と聞かれたらどうやって説明していますか?

私がリフレクションの説明を求められた時には

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経験したことを学びに変えるために必要だから

と伝えています。

私たちが「経験したこと」は必ずしも「学んだこと」とイコールではありません。 経験して、その体験を振り返って自分が何を考えたのか、感じたのか、得たのかを認識することが出来て初めて「学んだ」ことになるのです。

例をあげてみます。

私は大学3年の頃、途上国の学校に文房具を届けに行ったことがありました。ただ当時は「文房具を渡した子どもが喜んでくれて嬉しかったなぁ〜」位しか思ってませんでした。「いい経験できました!」以上のことって実は学んでなかったんですよね…経験しっぱなし。終わり。

ところが、就職活動のエントリーシートの作成の際に、改めて自分にとってこの経験がどんな意味を持つのかを振り返る機会があったのです。

その時初めて「小さな行動をしたことにより、子どもたちは翌日からノートとえんぴつが使えるようになった。自分が働きかけることによって、相手の世界は変わるということが分かった」という「学び」を得ることになりました。

さらにその学びをえてから、「主体的に他者に働きかけること」を以前より意識して行動するようになりました。このように、体験から何を学んだかに自覚的になる時間を創ることがリフレクションです。

私たちは普段、たくさんのことを「経験」しています。けれどもそこから「学んでいる」かどうかは、その人が自分の中で「経験したことを振り返って『これを得られた』」と意識的になっているかどうか。

打ち合わせでも「今日は1人が話している時間が長かったけれど、本当はいろんな人の意見も聞きたかったな」「そのために次はどうしよう。『今日はなるべく多くの人の意見を聞きたいです』と発言してみようか」と意識的になっている人はリフレクションしている人。

「打ち合わせ終わり〜」→ そのまま次回の打ち合わせに来る人がリフレクションしてない人。

些細な事ですが、この積み重ねは大きいと思いませんか?

リフレクションが習慣化されている組織は強い

そしてリフレクションはもう1つ、重要な視点があってそれは

得た学びを元に組織が自律的に成長することができる

に行うということ。

経験を学びに変え、それを元に組織が成長することが出来る*から、自律的に成長していきたい組織にとってリフレクションは必須なのです。

全員でリフレクションを行い「次回、いろんな人の意見をきくためにはどうすればいいと思う?」「じゃあ次は意見を話す前に1度、全員自分の考えを紙に書いてみて見せてから話すようにしてみようか」という改善点があがり、次回の打ち合わせに反映させたら?? というチームと

「打ち合わせ終わり〜」→ そのまま次回の打ち合わせ

というチームでは格段に成長が変わって行きます。

冒頭で触れた「メンバーがもっと自分で考えて行動してくれたらな…」というリーダーの方、残念なお知らせですが願っているだけではそんなことは起きません。メンバーが自分で考えて行動できるような隙や仕組みを作っていくのがリーダーの仕事のはず。

リフレクションを取り入れて、振り返って次のアクションを考えることが組織の文化として定着していくと、少しずつですがメンバーも「こうしていけばいいのでは」と気づくことができるようになります。

組織のリーダーや、その場に関わるファシリテーターなら、1人1人がその場、組織を良くしていくために話したり、行動している瞬間を目にするのは大きな喜びなのではないでしょうか。そんなあなただからこそ、リフレクションをまだ知らない周りの「えー?それってやる意味あるの?」の声に負けず(笑)、ぜひ取り入れてもらいたいです。

学習する組織に必要な視点

学習する組織という組織の一人ひとりが自律的に判断して成長していける組織について書かれた本があります。組織開発などに関心がある方は読んでみるのも良いですが、こちらのPDFを読むとその触りが分かるのではないかと思います。この中でも学習する組織の作り方の一歩は振り返りということが記載されています。

もっと知りたい方へ

リフレクションに関心が出てきた方はReflection Method Laboratory(RML:リフレクションメソッドラボラトリー)のナカシマさんが書かれているナカシマガジンというサイトでたくさん学ぶことができます。

振り返りのやり方についてもいくつか記事を書いてくださっていますが、初めての方はこちらがおすすめ。

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中〜上級者はリフレクションがなぜ必要かを深めて考えることができる、こちらの記事がおすすめです。

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