[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0053_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回はArt of Hosting Vietnamの2日目午後のレポートです。ファシリテーターの方、参加者主体の対話の場を主催したいという方向けの記事になっています。ぜひ初日から読んでみてください。[/voice]
Art of Hosting Vietnamのレポートを書いています。ここまでの流れは下記からどうぞ。
今回は2日目の午後の内容をレポートします。
ランチをしてから午後のプログラムへ。食後の運動(?)ってことで、午後はAoHでは定番のロープゲームからスタートしました。
[box class=”blue_box” title=”ロープゲームとは?”]4本の紐の端を1人1箇所持ち(つまり、1チーム8人)、出されたお題を無言で実行していくというワーク。[/box]
お題は
[aside type=”boader”]Create something without speaking, and after finishing, announcement to host. [/aside]
です。
無言でやるので、こんな感じでお互いに動きあいながら行います。
完成…??かな。
こんな感じね。チームで無言のまま動いて、「完成!」と思ったらホストの人に合図をします。そうしたらホストの人に「 Then, release them. 」とあっけなく言われますので(涙)、また無言のまま紐を元の状態に戻していくというゲーム。
全員が終わったらチームで感想を共有しつつ、
[aside type=”boader”]What did you learn about self-organization and collaboration ?[/aside]
という問いに対して、話し合いました。
実際にやってみないとイメージしづらいと思いますが、
・前半は、Create somethingなので目標共有ができていない状態。後半は元に戻すという目標共有が出来ている状態です。前半が面白いという人も居れば、後半が面白いという人も。
・やってみると分かるのですが、これ、無言で指さしたりして指示をする人が出るとスピードが遅くなるんです。自律的に自分たちで動くチームの方が早く出来ます。
・最初にホストから「Competition (競争だよ)」と言われないのですが、これは競争と言われたらやっている時の感覚が異なったはず。( Collaborationには自分たちに集中する力も大切かも!)
などの気づきが得られて、結構面白い。アイスブレイクなどで取り入れると面白いと思いますよ♪
終わったら再びホールに戻って今度はレクチャー。こちらは Art of Hosting では定番の秩序と混沌、クネビンフレームワーク、そして組織をどのように見るか?というレクチャー。
*AoHではいくつかレクチャーがあり、全てを取り入れるのは無理なので毎回いくつかが選ばれてトレーニングの中で教わります。このレクチャーはAoHでは非常に定番で、かなりの高確率で選ばれるレクチャーです。
こちらはどんな視点から組織の状態を見るか、という内容。新しいことはChaos(混沌)から生まれ、それが体系化されて行きOrder(秩序)の状態へと進んでいく。特に日本企業ではOrder(秩序)の状況へ推し進める能力は高いですが、Chaos(混沌)に向かったり、留まったりすることは難しいことが多いように思います。
これは、クネビンフレームワークの説明です。クネビンフレームワークについては、過去にこちらの記事などでも紹介したので、参考にどうぞ。 特に課題や状況がComplex (原因への対応が事後的に分かる状態のこと。状況に対して、分析や解を先に探すのではなく、探しながら試行錯誤を先にしなければならない状況のこと。)になってきている昨今だからこそ、こういうChaos(混沌)に対応するためのトレーニングが大切になっていくわけですね。
このレクチャーの後、ちょっとだけMechanistic system(機械的組織: 秩序な状況に適しているチーム・組織の在り方)と、Complex adaptive living system(生態的組織:混沌とした状況に適しているチーム・組織の在り方)を感じてみるワークを行いました。
最初にMechanistic systemを体感するワークとして、写真に写っているシンボルのように1人を先頭にして、その後ろに5名くらいが立つ、更にその後ろに10名が立って、更にその後ろに、20名が、、というように並んでいき、「並んでみてどう感じたか?」を話し合いました。( 私は、最後尾に立っていたのですが、「何もしなくていいや」という気分になりました( ´ ▽ ` )/ )
次にComplex adaptive living systemを体感するワークとしては、会場の中で特定の2名を勝手に決め、その人と常に正三角形になるように、無言で会場を動いて回るというもの。例えば、私がAさん、Bさんと常に正三角形の位置になるように動くのですが、そのAさんはCさん、Dさんと正三角形になるように無言で動いている。なので会場全体、全員が常に誰かを見ながら動いている状態になる、というものです。 こちらは自分から選んで動いているので、何だか楽しい気持ちになりました。会場からも笑い声が出てたしね。
その後は一人で振り返りをする時間があってから、Listening levelのレクチャーへ。
レクチャーの様子はこんな感じ。私、英語を聞き取るためになるべくホストの近くに座っておりました…。
このレクチャーも私はAoHでは初体験だったのですが、私の英語力の問題で写真に書かれていること以上に受け取れませんでした。。。すみません。。Generative Listeningというのはシャーマンの聞き方なんだそう。そんな風に聞くことなんてできる日が来るのだろうか。。。
その後は、Appreciative Inquiry Torios。3人で行う、AIのハイポイントインタビューですね。3人ずつペアになり、
[aside type=”boader”]Tell about a time when you were really thriving in collaboration ?[/aside]
という問いのもと、下記の3つの役割を回します。
話し手は問いに対する自分のストーリーを話し、記録者は自分自身が聞いたことを書き留める。(何が話し手の価値だと思ったか?) 聞き手はひたすら、話を聞いて主に話し手のエネルギー、様子を重点的に受け止めます。(どこで身体が前のめりになった?瞳が輝いた?エネルギーが高まった?)
話し手が話終わったらそれぞれの視点からコメントをして終わり。これを3回(つまり、全役割やるまで)繰り返します。
この Appreciative Inquiry (ハイポイントインタビュー) はガイドをする時に手順を説明しがちなのですが、(というかやるんだから手順は説明して当然なのですが)、ホストの担当の人が最初にこの対話の方法の世界観を伝えているのがとっても分かりやすかったです。
普段、私たちは課題解決の視点が強いですが、Appreciative Inquiryは「今、うまくいっている点 ( =What works well ? )」は何か?という視点から世界をみる考え方です、という説明をしてから、「では、その手順を説明します」というように。
(参考) Appreciative Inquiryのベースになっているポジティブアプローチという考え方
個人的にハイポイントインタビューは2人ペアを組み、インタビューガイドを使って1人30分ずつ行う、という方法が好きなのですが、今回の3人ペアで行う方法はストーリーを「聞く」に集中してくれる人がいる点と、3人で行うことでストーリーを2人分聞くことができ、自分の気持ちが高まるという点では面白いなと思いました。
会場はこんな感じ。私は日本人の人と同じグループになって英語力を助けてもらいました…。。
会場の外で行なっている人も。スペースが広いとやっぱり良いですね。
ただ、今回は15分×3だったので、英語があまり出来ない私としましてはゆっくり考えながら話しているとちょっと足りなかったです… (._.)
そのあとはSense making circleという小グループになって分かれて、AIの振り返り。
こんな風に(これは、私が参加したグループではないのですが) 施設内の好きなところに移動してスペースを作り、振り返り。これは初日のSign upでホスト役になった人が施設内でメンバーを迎えたい場所を探し、ホストをしました。
ホストの方それぞれが自分がメンバーを迎えたい場所を探し、(これも敷地が広大だから出来ることなのですが!) トーキングスティックや写真のようにその場を心地よく過ごすための工夫をします。
写真ではゴザを敷いていますし、私が参加したグループではセンターにスカーフを置いて飾ってくれたり、施設内の素敵な石をトーキングスティックとして準備してくれたりと暖かく迎えてくれました^ ^
テーマは
[aside type=”boader”]How has the conversation during AI open up possibilities for collaboration ?[/aside]
で、小グループに分かれてチェックイン→このテーマで対話(付箋にキーワードを書きながら)→チェックアウトと進めました。
こんな感じ。今回のAoHは大人数だったこともあり、1人での振り返りや小グループに分かれるシーンは日本で行うAoHよりも多かったです。(逆に全員でサークルで話し合うというシーンもほぼ無かったですが)
最後に長い1日のチェックアウト。問いは
[aside type=”boader”]How do you feel about yourself showing up today ?[/aside]
付箋に1つずつ書いて2日目が終わりです。
今回は、人数の多いAoHだからこそ出来たことですが、経験がある人が対話の手法のホストをし、少ない人がサークルやチェックイン、チェックアウトのホストをするなど、経験の違いがあってもホストに手をあげやすい仕組みでした。 来年以降は英語でホストできるようになりたいなー…(._.)
3日目午前の記事はこちらに続きます。