[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0007_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回から何度かに分けて、Art of Hosting Vietnam の参加レポートを書いていきます。場の設計はプロのファシリテーターとして活躍している人が行なっているため、ファシリテーターの方にはお宝の記事・・・なはず!ぜひお読みください![/voice]
11月2日から5日までの3泊4日、ベトナムのハノイで開催されたArt of Hosting training (以下、AoH)に参加して来ました。このトレーニングは今回が4回目の参加になるのですが、2014年から毎年1度は参加 or ホストのどちらかを行なっている、私にとって大切なトレーニングです。
私の過去のトレーニング歴は
2014年 AoH Fukushima 参加者
2015年 AoH Nagatoro ホスト (プロセスデザインチーム)
2016年 AoH Tokyo ホスト (プロセスデザインチーム)
なのですが、ここ2年はホスト(いわゆる、開催する側) が続いたことと、そろそろ1度海外のファシリテーターの場に参加してみたいと思っていたので、今回は参加者としてベトナムのトレーニングに参加しました。 ベトナムは参加者自体が10ヶ国以上の国から来ていて、一応、英語も第二言語の人が多かったので、、、私の低い英語力でもなんとか、、、、ならなかったんですけど、、、(涙) まぁ、あの、、ごまかす程度には対応して来ました。。。
なので、今回の記事はファシリテーターなど、場づくりをしている方向けになります。
そもそも Art of Hostingって何? という方はこちらの記事やこちらに以前作った資料があるので、見てください。
今回のトレーニング、プログラムデザインが素晴らしかった(*)ので、個人的にしっかり覚えておきたいので、覚えてる限り細かくレポートしたいと思います。
*AoHは多くのトレーニングが、AoHの実戦経験豊富な人をSteward Hostとして呼び、その方に全体のデザインや対話の手法のホストの方法を教わったり、レクチャーを担当してもらったりします。ベトナムのAoHは昨年が初開催で今回が2回目と、まだベトナムに実践者が少ないため、プログラムデザインの主体は海外の、かなりのレベルの実践者がやっており、結果としてプログラムデザインの質というか意図の細やかさは日本以上な気がしました。
Art of Hostingでは、開催の際に主催側(ホストする側)が「呼びかけの問い」を作り、その問いに対して対話して深めたい参加者が集まるという形式です。今回の問いは、
How can we create collaborative working cultures,
where people and business can thrive?
私たちはどうやって、自分たちも、ビジネスも繁栄できる共創的な文化を作り出すことができるだろうか? (訳は、今私が考えたんでなんかごめんなさい。英語で理解してください。)
です。この問いに「!」と来たのも今回私が参加を決めた理由の1つ。
それではDay1からレポートしていきます。今回は、プログラムデザインを覚えておきたいので、完全に私が覚えておきたいことが主眼で、読みやすさとか読み手の学びとかに対する視点はほぼありませんので、ご了承ください。
Day1は、15時半にハノイ市内に集合し、そこからバスで揺られること2時間ちょっと。今回の会場はBai Dinh Hotelです。 ぜひリンク先を見ていただきたいのですが、広大な敷地に伝統的な作りの建物で素晴らしい場所でした…!! パゴダ(寺院)が敷地内にあり、アジア最大の寺院だそうです。
会場のいろんな場所で対話をすることができました。
食事中の風景。ベトナムって料理も美味しいし、味も薄味で日本人好み。
テーブルはベジタリアンテーブルと分かれていました。海外の方がベジタリアンフードは充実していて美味しいんだよね…!
質の高い対話をするには、場所の影響力も大きいため、そういう意味では最高の会場でした。
Day1のプログラムは…
・Check – in
・Sign up
・Check – out
でした。
そもそも到着が18時過ぎなので最初に皆で夕飯を食べて、その後会場へ。
最初は全員で円になって座り(サークルと言います)、呼びかけ人の挨拶の後、全員で(今回の参加者は17カ国、52人…私が体験したAoHの中では最大規模でした。) チェックイン。
最初に、呼びかけ人の挨拶の後、全員がサークルになって立ち、全体としてどんな人がいるかを体感するワークを行いました。やり方は、ホストの人に問われた条件に当てはまる人は、サークルの中に一歩入る、というもの。
例えば「Step forward if your mother language isn’t Vietnam」と言われたら、私のように母国語がベトナム語ではない人が一歩前に出る。そうすると、この場にどれくらいベトナム語が母国語ではない人がいるかが一目瞭然&体感で伝わるわけです。その後、当てはまった人が、自分が何語が母国語なのかを一言ずつ伝えてから一歩後ろに下がり、サークルに戻る。これを何度か繰り返して、今、このサークルにどんな人がいるのかが少しだけ分かってから次に進みました。
チェックインの問いかけは・・・
[aside type=”boader”] Why am I here Really?[/aside]
この問いもWhy are youではなく、Why am I にしているところがより自分に迫る感覚を与えますよね。
問いかけに対して話し始める前に、今回のSteward Hostの1人、Steveがサークルとトーキングスティックの意味について少しだけ話してくれました。例えば、丸くなって座るのは人間の根源(遥か昔、焚き火を囲って話をしたところから来ていると言われています。)であるとか、ヒエラルキーなく座るという意味があるということや、全員の目を見ることができること、そして特定の誰かに向かって話すというよりも、真ん中に言葉を放つようにすることで集合知を紡ぐ意味があるとか。
サークルに座るって、ちょっと対話の場に出たことがある人なら誰でも知っていると思うのですが、「なんの意味があるのか?」を知っている人って意外と少ないんですよね。サークルの意味を知っていたところでどうもならないと言えばならないのですが、「聞かれても答えられる安心感」は自分がホストをするときの在り方に影響します。
AoHは私のように何度もトレーニングに参加する人も結構いるのですが、もちろん「AoHってなに?」という人も参加しています。なので、いきなり輪になって石 ( トーキングスティックね。持っている人だけが話し、持っていない人は聴くというルールで使用されるツールです。) を渡されるよりも、「今していることにはなんの意味があるのか?」を添えてもらってから進む方が安心感が高まります。こういう、意図や意味を伝えつつ、でも説明しすぎずというバランス感覚が、今回のトレーニングは全体的に素晴らしかったように思います。
1人ずつトーキングスティックを回して、全員が「なぜ、自分がここにいるのか?」について話しました。この時ホストの人が1人ずつ話したことのキーワードをメモ書きしてハーベスト(記録)。
こんな感じになっていました!葉っぱに話したことのキーワードが書かれています。
その後はAoHではおきまりのSign up (日本のAoHで言う所のホスティングチャンス)。 AoHではトレーニングの一部を参加者がホストします。どの部分をホストするかに立候補する時間という意味。私は、今回はホストする程の英語力が無かったのと(まぁ、チェックインとか簡単なのやればいいんだけど)一旦、全てのプログラムを参加者で味わい切ってみたかったので、今回は立候補しませんでした。
様子をちらっと動画でどうぞ。
本当、どうでもいいほど細かい話なんですが、、、こういうSign upに名前を書いてもらう紙とかも、ちゃんと2日目、3日目と紙を分け、かつ時系列に並べた方が分かりやすくて良いなと思いました。(こういうところもプログラムデザインだと私は思います。大切な話以外のところに余計な思考を使わせない工夫こそがプログラムデザインの大切なポイントなので。)
ちなみにAoH 2016で私がちゃらっと作ったSign upのシートはこちらです…(._.) 全部同じ模造紙に書いちゃってるんですねー・・。まぁ、だからこそ今回のものを見て、こちらの方が良いと気づいたのですが。。。
そんなわけで、初日だけでもちょっとした「こうした方がより良い!」にいくつも気づくことができて、翌日からのプログラムへの期待を胸に眠りについたのでした。2日目のレポートに続きます。