その施策は何のため? そもそもを問えないコンサルタントは外部支援者失格だと思う。

[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0053_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回は仕事についての記事。わたしの仕事は分野でいうと組織開発になります。やっていることはファシリテーションなのですが、なんのためにやっているのかというとその組織が在りたい方向に向かいやすくするために対話のサポートをしている、ということ。今回は、そんなわたしが働く上で意識している、「ダブルループラーニング」について書いてみます。[/voice]

 

4月から新しい会社と契約をして働きはじめました。
週数日は、特定の会社の組織開発の担当の方とその組織の組織開発のお手伝いをし、残りの日数はこれまで通り、別のクライアントのシステムコーチングをやったり研修をやったり、次の仕事のための営業を行ったりしています。

 

外部支援者でもありつつ、半内部実践者にもなったことは自分が今後大きく成長していくきっかけになりそうで、久々の会社出社に早くもめげながら(._.) 、頑張っております。

 

今は、その会社で私のような外部支援者で、契約して働いている人は私1人なのですが、今後こういう働き方は増えるんじゃないかなぁ。

 

外部支援者っていわば「正論」を外から伝える関わりの視点が強いので、内部実践者への寄り添い力は弱いです。(これはまた別記事で書こうと思っているのですが、私、基本的ファシリテーターって関わるチームのリーダーが「想いが強い方、やる気がある方であればあるほど」邪魔な存在でしかないと思ってます。なので、本当は「外部からしか支援しかしたことがない」は外部支援者として弱みだと思っています。)

 

もちろん外部だからこそ見える視点には価値があるし、何よりその分野に関して集中して学んだけ経験があるだけに活かせることは大きいです。

 

組織開発の外部支援者(コンサルタントとか、ファシリテーターとか、コーチとか呼び方は色々あると思うけど)が現場に行く時に何より大切なことは「一緒に考える」こと。組織自体が継続的に成長していけるよう、支援者がダブルループラーニングの思考で関わることが最も大切なことだと考えています。

 

…とここで私なりにダブルループラーニングをまとめる記事を書こうと思ったのですが、検索したらいいのがありました(笑)

 

最近、一緒にチェックイン・チェックアウトのカード開発を行なっている中島さんの記事。。さすが分かりやすい。。。

ナカシマガジン
1つ上のステージの学びをつくる。知っとくべきダブルループ学習とは
1つ上のステージの学びをつくる。知っとくべきダブルループ学習とは複雑な時代で成果を発揮するための学習法「ダブルループ学習」について説明しています。

 

この記事をシェアしたら終わりじゃないか(´・_・`)と思ったんですが、めげずに組織開発分野での例を書いてみますね。

 

 

そもそも組織開発分野で依頼の多い要件の1つは、

 

 

「ビジョン作りたい問題」または「ビジョン浸透させたい問題」ですよね。

 

 

もしあなたが外部コンサルタントの方に「 ビジョンがないので作りたいんです 」と相談したと仮定して、万が一その人が「じゃあどうやって進めましょうか」と返してきたら、一旦疑った方がいいです。 ( ビジョンがない → ビジョンを作る はシングルループ )

 

「なぜビジョンが必要なんですか」「ビジョンがないことの何が問題なんですか」「ビジョンを作った結果、どんな状態にしたいのですか」とそもそもを問いかける関わりがあるかどうか。それを聞いたら優先度が高い施策は、ビジョン作りではなくなる可能性もあるからです。 ここをきっちり問いかけず、言われたことをそのまま施策として実行する人はコンサルタントではありません。 (ビジョンがない→行動の前提を考え直す はダブルループ )

 

内部実践者の方は、施策を実行に移すためにたくさん考えることや実行することがあります。そしてやるからには何かしらの結果を出さないといけません。なので「何が課題なのか」「どこを扱う必要があるのか」を一緒に考えることは外部支援者の最大の貢献のうちの1つと考えています。

 

 

何か、堅苦しく書いちゃったけど、普通の仕事だってできる人は目的や前提を確認しますよね?
例えば、以前はIT系の仕事をしていましたが、お客さんに「こういう機能が欲しいです」と依頼されて、そのまま追加開発しちゃう人は仕事ができない人です。仕事が出来る人は「なぜその機能が必要なのですか?」「それがあるとどの業務に影響がありますか?」「他の機能と比較してどれくらいの優先度ですか?」と問いかけていました。

 

旅行業界で働いていた時にお客さんに「この国に行きたい」と言われて、希望の日程が空いていなかった時に、本当にその国しか案内しないのは仕事ができない人です。「その国にどうして行きたいのか」「何がその国の魅力なのか」を聞いて、別の場所を提案できる人が仕事ができる人ですね。

 

仕事1つ1つだと、こういう確認する人はいるはずなのに、なぜか組織の施策となるととりあえず動こうとしてしまう場合があると思います。企業だと少しでも進めたい、進んでいるように見せたいという意識が働くからかもしれません。(そもそもの話をしていると時間がかかるので、一見進んでいないように見えますし)

 

組織開発実践者の皆さん、今あなたのやっている施策は「何のため」に行なっていますか。その施策を通じたゴールイメージは実践メンバーでしっかり共有できていますか。あなたが「何のため」にやっているか分かっていないことを、目指す方向に支援することはできっこありません。コンサルタントはいつも「何のため」を問い続け、組織に対して最善の一手を提案できる存在で在りたいですね。

 

※ここまで書いておいて何なんですが、私「支援者」という言葉、しっくり来てないんですよね〜 (._.) 今度何でなのか内省してみようと思います。

 

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対話ができる関係性・チームを築くために ワークショップデザイン × ファシリテーション でサポートする人。 プロフィール

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