プロボノで、必ずしも仕事の意義は見つからない。働くことに意義や目的を見出す方法とは?

[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0081_xlarge.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回は、プロボノに関する記事。私は長年プロボノのマッチングサービスを運営しており、自分もプロボノ歴が長いため情報収拾をするようにしています。気になる記事を発見したのでご紹介させていただきます。[/voice]

 

プロボノのマッチングサービスを運営しているので、社会人のボランティア意識とかプロボノ情報は割りと集めるようにしています。最近、こんな記事を見つけました。

活動者が増加中の「プロボノ」 一般的な“ボランティア”とどう違う?スクリーンショット 2014-05-10 15.56.00

私たちがサービスを開始した頃は、そもそも自分たちも社会人でボランティアしたいけれど何で探したらいいのか分からなかったからサイトを作ったという状態だったので、こんな記事が紹介されるようになるとは、時代も変わったなぁと思います。

 

働き盛りの社会人が、NPOの活動に携わるのが増えていくことは嬉しいです。NPOの活動が促進されたらその先にいる助けが必要な誰かも救われるわけですから。

 

1度でも経験したことがある人なら分かると思いますが、ボランティアは自分のためにもなる活動です。役立ちたいと思って始めたら、学ぶこと、経験できることが多く、自分の方が多くをもらった感覚になったという人は少なくないでしょう。

 

ボランティアは自分の力がどう活きたか、どこに役立ったか見えやすく、社会から必要とされている感も得やすく、金銭対価とは別の価値を大いに得ることが出来ます。ただ、仕事のやりがいや意義を求めてボランティアを行っている人がいるなら、一読をオススメしたい記事を見つけました。( ※英語です…)

 

Being ‘Good’ Isn’t the Only Way to Goスクリーンショット 2014-05-10 15.43.12

記事によるとLinkedInでは、100万人もの人がボランティアをしたいと手を上げているのに対し、その機会を提供するような投稿は1000件くらいしか無い、つまり需要過多の状態なんだそうです。

 

一見、ボランティアをしたいという人が増加しているのは良いことのように思えますが、これは仕事に意義が見いだせない人が増えているという課題を隠しているのではないか。ということが書かれています。

ビジネスパーソンは、仕事が有意義でない時にボランティア活動により熱心に、時間を割く傾向がある。

 

プロボノをする人の多くは、社会に役だっているという貢献意識、自己表現や成長機会を求めてボランティアを行なう。

 

ただし、チームワークを通じた活動から自己表現や成長機会を求めるなら、それは仕事以外の場所であえて求める必要はない。

NPOの社会的なミッション、活動自体が仕事に意義を与えるのではない。日々仕事にどのように取り組むかという姿勢からその人なりの意義が見つかるものだからだ。

 

NPOの活動は子どもの教育支援、児童買春の防止、など社会的に大きな意義をもった組織なので、その活動に共に取り組むことで自分も何かしら意義が見つかるかもしれないと思いがち。

 

そうではなく、自分が大切にしたい価値観や強みや、ワクワクするポイントを知り、仕事の取り組み方に反映させていくところから仕事の目的や、意義は見つかるのです。記事の中では例として、職場での人間関係をより大切に考えている人なら、コミュニケーションをメールに頼るのではなく、電話をとる回数を増やして直接声をきく回数を増やすという働き方になるかもしれない、と例を挙げています。

 

もちろん、プロボノをしてみたら携わった団体の扱う課題を一緒に解決していくことが本当にやりたいことだ!と気付きその活動に携わること自体が意義となっていく人もいるでしょう。

 

ただ多くの人は、「自分がどんなことが好き、楽しいと思っている、何を大切にしている、これが得意、やりたい」と自分の価値観を知り、そこに基づいた仕事の仕方を重ねていく中で見つかっていくものなのです。

 

ただし、プロボノ、ボランティア活動は自分の仕事の要素を客観的、多面的に捉え直し、自分を知っていく機会としては最高のチャンスだと思っています。特に新卒で入社して1社目とかだと働き方や人間関係も狭いですし、自分を多面的に知る機会も限られている。

 

例えば、私は新卒で勤務をしたのは旅行会社でした。日々、大量のメールをお客さまとやりとりし、航空券の手配や旅行の計画をしていたのですが、正直その時はその業務自体に意義は見いだせず、淡々と他の人のマネをしてこなしていました。本当すみません。。

 

しかし、その後NPOの活動で営業メール作成し、送るという業務が必要になった時に初めて、自分が何気なくやりとりしていたメール1通がどれほど大切な意味を持つものだったのかに気付かされました… (遅い…)

 

メールは自分の言葉遣い、伝え方1つで、必要としている人に届くかどうか、響くかどうかが決まります。自分の言葉で、その人の心を動かせるような文章を書きたい、とかもっと工夫して必要な情報が分かりやすく伝わるようにしたい、などと考えだすようになり、メールを書くという作業への取り組み方は変わりましたし、そこから喜んでもらえたことが仕事のやりがいや意義につながっていきました。その後、自分は言葉で人をエンパワーメントしていくことが好きなんだなという自分の価値観も見つかりました。

 

これらは、新卒で1社目で働いていて自然に気づいていくには時間がかかります。別の活動をしてみたことで、自分の仕事を別の確度から捉え直すことで自分を知り、価値観を認識しやすくする、そのためにボランティアは大いに有効です。( 余談ですが、Living in more than one world ( *パラレルキャリアについて書かれた洋書)にも自分のコア・コンピタンスを知るために多面的なライフスタイルを送ることが大切でその際にNPOでのボランティア活動が大いに役立つだろうと書かれていました。)

 

記事の最後はこんな文章で締めくくられています。

仕事の中で意義を見出そうとし、それをただNPOの活動に追い求めてみても見つからない。探すは何処か別の場所ではなく、自分の内面。自分自身を知り、主体的に仕事の目的を創りだしていく必要があるのです。

 

ボランティアやプロボノは、確かに成長機会や自己表現の場となりうるでしょう。けれど、それはやはり手段であり、結局は自分の内面を探り、自分を知ることからしか始まらないのではないでしょうか。

 

…付け加えときますが私はもちろんプロボノ推奨派です笑。特に新卒で入った会社でしか働いたことが無い人とか、(更にあまり部署異動も無い人とか) 絶対やってみた方がいいと思ってる。あなたの仕事がどんな意味を持つのか、経験がどこで活かされるのか、あなたは何が出来て、出来ないのか、何を大切に思っているのか自分を知りうる最高の機会となるはずだからです。

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対話ができる関係性・チームを築くために ワークショップデザイン × ファシリテーション でサポートする人。 プロフィール

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