今日も私の好きなTEDシリーズ。スーザン・ケイン 「内向的な人が秘めている力」です。これまで何度も何度も見ている大好きなTEDなので、今回の記事も熱が入りすぎてかなり長文になると思われます。
まず外向的、内向的の違いなのですがこれは心理学者ユングの説によると「自分の関心・エネルギーの原動力」が自分の内側に向かうか、外側に向かうかの違いなんだそう。私、正直言ってこの定義を知るまで、自分のことは「外向的」な人だと思って生きてました…!
小さい頃は学級委員長とかやるタイプだったし、学生の頃も一人で準備して留学したり、途上国言って学校作ったり、いろいろ自分で決めて行動しており、人からも「行動力がある」と言われることが多かったので…。留学していた時には「I have an extrovert (=外向的な) personality. 」って自己紹介していたくらい。えぇ。とんだ勘違いでした…。
ただ、20代後半に人数の多いシェアアパートに住んでみて( ←自分のことを外向的だと勘違いしてたから楽しめると思ってた )、周りの人がパーティーしている様子を見て思ったのです。
・・・あれ、楽しくない(笑)・・・と!!
楽しくないは言い過ぎかもしれませんが、「輪に入りたい」という気持ちが少しも湧かず、一人で部屋で読書していたり、大勢の人と地下でどんちゃん騒ぐよりも少人数の人たちとそっと語り合うほうがずっと楽しい、そんな自分をはっきり認識してしまいました。
私、知る人は知っていると思いますが、初対面の人が多い飲み会は苦手で行かないんでその辺ごめんなさいブランディングをしています。理由は消耗するの嫌だから。ネットワーキングしましょう的な集まりも行かないし、とりあえず交流しましょう飲み会も絶対行かない。
これ、内向的な人は「わかるー!」と言うはずなんですが、多分外向的な人って違うんですよね? 大勢の人とパーティーでエネルギーが湧くってことでしょうか? さっぱり分からないので外向的な人誰か教えて!
・・・前置きが長くなりすぎましたが、ここからTEDをご紹介します。好きで紹介したいだけなので、ちゃんと時間とって動画見れる人は以下読まなくて大丈夫なので、動画見て下さい ↓↓
スーザン・ケインは小さいころ、家族で揃って、人の温かみを身近に感じながら読書をするのが大好きで、読書自体が主なグループ活動の家庭で育ったという話から始まります。なので、9歳の頃サマーキャンプに参加するときに大量の本を持って行ったけれど、そこは大騒ぎをする場所で、彼女は訳が分からない状態だった、と。
キャンプではチアをやらされ、他のみんなと一緒に 一生懸命やりつつも心の中では ただひたすら 早く解放されて 本を読みたいと思っていたそうです。
静かで内向的なのは正しくない もっと外向的な人間として認められるよう 努力すべきだというメッセージを いつも受け取っていました。そして心の中で そんなの間違っている 内向的なことに? 悪いことなんてないのにと感じていました 。
そんな彼女はそういう直感を押し殺し、なんと金融街の弁護士になります。自分だって大胆さや自信を持って行動できると 証明したかったと。
そういう自己否定的な選択を ほとんど反射的にしていて
自分ではそんな選択をしていると気づいてもいませんでした。
私は、本当、今では考えられないのですが、小〜中学校の頃は委員長とかリーダーに立候補してました。内向的な自分を認識した今となっては、何であんなことが出来たのか甚だ疑問ですが、考えてみるとこれは、自分なりに「自分だって自信を持って行動できる」と内向的な自分を押し殺した行動だったと思っています。
彼女はこう続けます。
そんな風にしている内向的な人は多く、もちろん本人にとって損なことですが 、同時に同僚や コミュニティにとっても損失であり、大げさに聞こえるかもしれませんが 世界にとっても損失なのです。
なぜならクリエイティビティやリーダーシップという面で、内向的な人に実力を発揮してもらう必要があるからです。
ある研究では「内向的なリーダーは 積極的なメンバーが アイデアを出して活躍できるようにさせる傾向にあるため、外向的なリーダーよりも 良い結果を生むことが多い」そう。また、クリエイティビティという意味でも極めて創造的な人々の人生を心理学者が研究したところ、彼らはアイデアを交換し 発展させることに 優れている一方で 非常に強い内向的な面を持つとが分かったそうです。
内向的な人は、パーティーに行くよりも、一人で森を散歩したり閉じこもって本を読んだりすることが好きな傾向にあり、そういう時間が人の創造性を育む上で非常に重要だと伝えています。また、私がこのTEDで特に注目したのは以下の後半部分のところです。
もっとも重要な組織である 学校や職場が、外向的な人向けに作られており 外向的な人に合った刺激に満ちているのです。
近頃の教室では 4人から7人ごとの島になっていて子どもたちは無数のグループ作業を次から次へとこなしています。単独行動したり 1人で作業するのが好きな子ははみ出し者とか さらには 悪くすると 問題児と見られてしまいます。教師のほとんどは 理想的な生徒は内向的でなく 外向的なものだと思っています。同じことが職場についても言えます。
そう。
そう。
そうなんだよー!
今の学校教育については詳しくないのですが、私が小さい頃は「あえて孤独になる時間」「一人で考える時間」は少なく、何かにつけて「班で話す」時間が多かったと思います。つまり「自分の内側に向く時間」はあまり学校や組織で取り入れられていないのではないでしょうか。
セミナーや勉強会もそうですが、いきなり「では近くの人とグループになって今まで学んだことをディスカッションしてみましょう」みたいな場、よくありますよね? これって私…苦手なんです…。 もちろん、すぐ話せるような話題なら全然OKなのですが、新しく学んだことって、自分で咀嚼してから話し合いたいのに「ではお近くの人と〜」という流れになると一旦意識が内側に向く私としては「理解が早い人」または「考えずに話す人」に時間を占領されて終了〜(;_;)
「自分が何やりたいのか分からない」と悩む人って多いと思います。これっていろいろ要因があると思いますが、その一つは学校や組織で「自分の内側に向かう経験」が少ないからではないかなと考えています。
これはもちろん 共同作業など一切やめろということではありません。ウォズニアックがジョブズとアップルを始めたのが 成功した共同作業の良い例です。
その一方で 孤独もまた大切であり ある人々にとってそれは 呼吸する空気のようなものなのです。実際私たちは何世紀にも渡って 孤独の持つ超越的な力を知っていました。それを忘れるようになったのはつい最近のことなのです。
私が言っているのは 内向的な人がもっと自分に合ったやり方でできるようにすれば 彼らがそういう問題に 独自の解決法を考え出してくれる可能性が高くなるということです。
内向的な人は、「自分の内側に向かう力」をもっと認識して、意図的にそれを外に出すよう意識すべきなんです。最初の方に、内向的な人が無意識のうちに自分の力を否定することは「世界にとっても損失」とありましたよね? たまにずーっと黙っているような内向的な人と話をしていたら「・・・この人すごい面白いことを考えている・・・!」というような人がいたりしませんか?内向的な人はちょっと自分の力を「内に秘めすぎ!」と感じることがあります。
断っておきますが、私は外向的な人も大好きですし、人と協業も大好きです。そうでなければシステムコーチングだの、ファシリテーションだのやらないし。けれども協業する前に必要なのは「自分自身」に向かうこと。協業するときに「自分の内側と対話が出来、それをなるべく言葉にして伝えてくれる人 」でなければ、私は組みたくありません。
私は内向的な人とも外向的な人ともプロジェクトを組んでいますが、内向的な人と組むと対話そのものの深まり方が自分と似ているので、心地いいし楽しいし、時にびっくりするようなアイデアが生まれたりします。一方、私が何か仕事でも活動でも広げたいなと思ったときに大きく力を貸してくれるのは、外向的な人。ともすれば深めてとどまりがち、ゆっくり過ぎる私を大きく引っ張って前に背中を押してくれます。
スーザンも、完全に外向的、内向的という人はいないと言っていて、どんな人にもどちらの側面も持っていると思います。どちらかが強くでている人がいるだけです。ただ、もし「内向的な自分の直感を押し殺して、外向的に振る舞おうと苦しくなっている人」がいたらぜひこのTEDを見て下さい。私も外向的な人を羨ましいと思う気持ちが湧いてきたら心を落ち着けるために繰り返しこのTEDを見ています(笑)
外向的か、内向的かは実は、一見分りづらいものです。以前「自分は内向的かも…!」と思った時に何かで見たのですが、「自分の関心・エネルギーの原動力」が自分の内側に向かうか、外側に向かうかという定義だとしたら、消極的に見えたとしても、人の顔色や評価を伺っている人は「外向的な人」、社交的に見えても逆に、自分の内面に寄せ付けないように表面的な笑顔を作るような人は「内向的な人」なんだそうです。
それを考えても、私はやっぱり内向的。人がどう思うかとかあまり関心がないし、だいたいこんな長いブログを一人楽しく書いてる時点でかなりの決定打です。次回、私が海外で自己紹介をする機会があったら「I have an introvert (=内向的な) personality」と自信を持って言おうと思っています。
内向的な力を秘めている人へ、とても勇気づけられるTEDなので、私のブログの説明でなく、やっぱりちゃんと見て下さいね…!
動画はこちらです。
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