[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0024_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回は、私が学んだシステムコーチング®についての紹介記事。先日の記事からの続き。今回は「システムコーチングで扱う『関係性』ってどうしてそんなに重要なの?」という話になります。チームで成果を上げたいというリーダーの方向けです。[/voice]
前回も書いたとおり、システムコーチングの最終的な目的は「そのチーム ( =システム ) の成果を高めるため」です。 繰り返しますが、関係性の質を高めることは、そのチームで行なう活動の成果の質 ( = 仕事のアウトプット) につながります。
ただ、多くの人は
「関係性の質を高めると、何で仕事の成果につながるの?」
と感じるのではないでしょうか。
だって仕事で問題が生じたら対策を話し合う( = 方法を考えなおす ) のが普通ですよね。
例えば、「社内メールに見落としなどのミスコミュニケーションが生じているので、件名をルール化して整理しよう!」 とか。
「社内システムにエラーがよく発生しているので、リリース前にシステムテストをする回数を増やそう」とか。
仕事の方法の改善ですね。これは、もちろん必要です。ただ、
「そもそもその問題、何で起こってるんでしょうか?」
その原因の1つとして、関係性の質が低いことが関連していることもあるのです。
私が、人に「関係性の質を高めると、何で仕事の成果につながるの?」と聞かれたらまず前置きとして
「関係性は日々のコミュニケーションで培われるものだよね。だから関係性の質が高いとは、お互いに『言いづらいことを言い合えている、聞きづらいことを聞き合えている』コミュニケーションの質が高い状態のことだね」
と伝え、
「問題の多くはコミュニケーションが原因で生じるので、関係性の質を高めると、もともと問題だったことが起きなくなったりするんだよね」
「コミュニケーションの質が高く、お互いの大切にしていることを話し、聞きあえるような組織だと、打ち合わせの内容が変わるから、仕事の成果が変わることになるよ」
と答えています。
伝えやすくするために、ちょっとうちの団体の活動を例に挙げてみます。
( ※以下、活動は実例ですが発言内容などは架空の話です )
私たちの団体では、NPO・NGOの社会人ボランティア募集要項を集め、働きながらパラレルキャリアでNPOの活動に参加したい人に向けたマッチングサイト もんじゅの運営を行っています。
今、
メンバーは、代表である私、メンバー数人、
ケース1 : 関係性が低い場合
関係性の質が低い状態とは、気軽に言いたいことが言えない、言いづらいことが言えない状態のこと。 よってAさんが下記のように感じているということがあります。
「参加しているメンバーが全然発言していない・・・ ( なので自分も発言できない) 」
「代表が怖すぎる・・・ ( なので発言できない ) 」
「議論しているけど誰もお互いの話を聞いていない!・・・ ( なので発言するの辞めておこう ) 」
このような状態だとAさんのアイデアは出されないまま終わります。
(会社で結構こういうことありますよね・・・)
ケース2 : 関係性が高い場合
関係性の質が高いケースは、気軽に言いたいことが言える状態。 ちょっと言いづらいことも、言い合って聞きあえるような、お互いに安心感が持てている状態です。
この場合、もしAさんが「このメンバーなら私の発言も聞いてもらえるだろう」と思えたなら
「私は応募するときに、どんなメンバーがいるかが気になったので、もっと活動しているメンバーの写真を載せたり、代表や採用担当者の顔写真やメッセージがあった方がいいと思います」
と発言してくれるかもしれません。
この場合、ケース1と2ではどちらが最終的にいいページになるでしょうか?
つまり仕事の成果の質は、そのチームのコミュニケーションの質、つまり関係性の質と関係があるのです。
さらに、もっと関係性の質が高ければAさんは、
「私だったらなるべく少人数の組織で、全員で協力しながら活動したいと思います。なのでどれくらいの規模で、どんなメンバーがいるのか、
などど自分の価値観についても話してくれるかもしれません。
その言葉をメンバーがきくことが出来たら、Aさんは「全員と協力することを大切にしたいと考える人」ということが分かり、今後の作業はなるべく協力し合ってできる作業を割り振るように気遣える組織になっていきますよね。
こういうお互いの価値観や大切なことをききあえている、お互いの感覚があっている組織は自律的に動き出す状態になることが出来ます。
まとめると
関係性の質が高い状態とは?
・コミュニケーションの質が高い状態。言いづらいこと、聞きづらいことを受け止めあえる安心感がメンバーの間で持てている状態のこと。
関係性の質が高くなるとどうなる?
・打ち合わせの対話の内容が変わり、今まで出なかった意見が出てくるので仕事の成果、つまりアウトプットの質が高まる。
・普段からお互いの価値観を把握し合い、コミュニケーションをとりあえる状態になることでそもそもこれまで問題だったことが問題ではなくなってくる。
ということ。
最初に「社内メールのやりとり見落とし」の例を出しましたが、ものすごい乱暴に言えば『見落としてもいいや』と潜在的に感じている関係性だから起きている問題という可能性もあるのです。
その場合、件名のルール化という「やり方の改善」を行ったところで、根本的な問題解決にならないんですよね…。
このように活動の「成果の質」を変えたければ、一見遠回りに見えますが、「関係性の質」に対して働きかけることが、何よりも大切。だからシステムコーチングではチーム (=システム)に対して、コーチが問いかけたり、ワークを行なうことで関係性の質を高めるように関わるのです。
責任をもってリーダーシップを発揮しようとした経験がある人ならきっと、1度は「どうしたらメンバーに心から楽しんでもらって、力を発揮してもらえるのか」と思い悩んだことがあるでしょう。
しかし残念ながらリーダー1人でどれだけ思い悩んでも、組織は変わりません。結局は組織を変えるのはそこに集う1人1人の仲間の力だからです。
ここまで読んでくださっているあなたはきっと「仲間を心から愛するリーダー」なのだと思います。「仲間の想いをきちんと聞き、向き合う覚悟がある」そんなリーダーがいる組織へだったら、私は自分が学んだことすべてを投じて、システムコーチングをさせてもらいたい、そう思っています。
※システム・コーチング® は、ウエイクアップ(CRRジャパン)の登録商標です。きちんと知りたい人はこちらのページをご確認下さい。