課題解決の大切な視点!変化を起こしたいときには ” ポジティブデビアンス ” という視点を持つべきだ

げんどう ゆうこのアイコン画像げんどう ゆうこ

今日は、物事に変化を起こしたいときに助けになりそうな「ポジティブデビアンス」という考え方をご紹介します。元々本を読んでいて知っている視点ではあったのですが、それを「ポジティブデビアンス」と称していることを最近知りました笑。

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物事を好転させてたいときに持つべき意外な(?)視点

普段、組織開発の仕事をしているのと、「チームや部門がどんな風に変化していくことができるか」についてよく話をします。そしてこの分野について学ばれている方の多くは、「課題解決アプローチ」と「ポジティブアプローチ」という視点については聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。

課題解決アプローチ : 足りないところ、できていないところに目を向け、そこを埋める解決方法を考えるアプローチ。ギャップアプローチとも言います

ポジティブアプローチ: 価値があるところ、できているところに目を向け、そこを高める施策を考えるアプローチ

例えば、社員満足度調査を行ったとして、不満足と答えた回答から、その不満足を感じさせる原因を特定し、解決する方法を考えるのが課題解決。そして満足と答えた回答の要因を分析し、それを高める施策を考えて実行するのがポジティブアプローチです。

どちらも大切なのですが、どちらかと言うとわたしたちの視点は「課題を見つける」(=できていないところに目を向ける) 傾向にあります。だからこそ、組織の少し外側からファシリテーターとして関わらせてもらうときには意識的に「すでにある価値」に目を向けるようにしています。

ポジティブデビアンスとは?

長い間、何か物事を好転させたい、変化を起こしたいときにはこの2つのアプローチを意識することを考えていました。ただ、「ポジティブデビアンス」を知ってから施策を考えるときの視点がもう1つ加わりました。

ポジティブデビアンスとは直訳すると「前向きな逸脱」という意味。同じ条件でより成果を挙げている人に着目し、その人が行っている施策や行動を広げていくことで大きな変化につなげていこう、という考え方です。

図で説明する方が分かりやすいと思うので、下記をの図を見てみてください。(社員の業績評価の図だと思ってください)

例えば、パフォーマンスを高めるためにノウハウを得ようと思ったら、多くの場合「成果が上がっている人は何をしているのか? なぜ成果が高いのか?」に着目して調べたり、または「成果が低い人はなぜ成果が低いのか?」に着目して底上げをしようとしがち。

しかし、ポジティブデビアンスとは グラフの左上の薄いオレンジの◯の人がどんな行動を取っているのかに着目します。高い成果を挙げられる人は、もちろん本人の経験と努力があることは前提ですが、既に豊富なネットワークを持っている、経験値が高いなどのリソースも豊富であることが多い。

リソースが少ないけれど、その中で他の人よりも成果を上げている人がいたら、その人が何をしているかを探った方が、もっと多くの人に適応できる方法である可能性が高くなります。これは、リソースがある人が成果を出していることよりも、組織の観点から見ると価値があることではないでしょうか。

ポジティブデビアンスを活用した例

ポジティブデビアンスを活用した例として、ベトナムの栄養改善プログラムがよく例に挙げられます。(この話、私の好きな「対話型ファシリテーションの手ほどき」と言う本に書いてあったので、気になる方はぜひ読んでみてください。)

このプログラムの支援先は、栄養不足の子どもが多い村で「子どもが栄養不足になるのはなぜか?」と言う聞き込みをしていたところ、村人は「家が貧しいからだ」と答える人ばかりでした。そこで、「経済的には貧しいけれど、子どもたちは健康な家はないのでしょうか」と聞いたところ「少なからずそう言う家がある」とのこと。そこで、村人はそう言う家に聞き込みにいくことにします。

そうすると、サツマイモのツルや、小さな沢蟹やあさりなど、村で手に入るのに食べるのに適さない、子どもに与えるべきでないと信じられているものをすり潰して子どもに与えていたことが分かったり、母乳を与える期間が長かったりと言うことが分かったのです。

他の人も同じ条件、環境の中を過ごしているので、この聞き込みで得た施策を他の家庭にも取り入れていき、この村の栄養不足の子どもは減っていくことになりました。

同じ条件でも成果を挙げている、この場合健康に子どもが過ごしている家庭から、その秘訣を聞いてその方法を展開していく、これがポジティブデビアンスを活用した事例です。

同じ条件でも、より成果を挙げている人は?

「同じ条件、状況でもより成果を挙げている人はいないか?」という視点を持つと、課題解決でも、ポジティブアプローチでもない、別の働きかけができそう、と言うのが伝わったのではないでしょうか。

ポジティブデビアンスに関しては、あまり本がないのですが、この本はいくつか事例が書かれているので目を通してみると良いでしょう。4章にいくつかの事例が書かれています。

< 2021/06/27追記 > また、最近発売になった本がありますので、こちらも合わせてご紹介します。まだ読めていないのですが、見る限りいろんな組織の実践例が載っているようなので組織開発に携わっている人は読んでみると良さそうです。

また、こちらのFacebookページなどでも情報発信がされているので、気になる方は覗いてみてください。

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