「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならない」 あなたが組織でファシリテーションに力を入れなければならない理由

[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0014_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回は、私がなぜ「ファシリテーション」を大切にしているのか、について書いてみました。参加者主体の場づくりをしてみたいという方向けの記事です。[/voice]

 

 

ファシリテーションという言葉が一般化されるようになってきました。でもファシリテーションほど人によって定義が様々な言葉もないような気がします。

 

そもそも、「ファシリテーション」とは・・・?

人々の活動が容易に出来るよう支援し、うまくことが運ぶよう舵取りをすること  ( 日本ファシリテーション協会HPより)

 

「人を活かすこと」を考えたことがある人が出会うのが、ファシリテーションという関わり方だと思います。でも、何故チームで何かしたいと考えた時に、ファシリテーションという関わり方を意識する必要があるのでしょうか。

 

 

 

それは「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならない」からだと私は考えます。

 

 

 

 

これは、市民の日本語 NPOの可能性とコミュニケーションという本に出てくる1文です。

 

ファシリテーションに関心がある方、 NPOの活動などでコミュニティを創っている方は必読の1冊。私も何度も読み返しています。

 

私は、せっかちなところがあって、以前は話し合いをしているときなど、人の思考の先読みをして、あまり待たずに言葉を提案してしまう人でした。

 

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人が悩んでいたり、話そうか考えていたら「それってこういうこと? それともこれ? 分かった!こういうことじゃないの?」と思いついたことをとにかく提案。それが相手の助けになるんじゃないかとすら思ってました…。

 

もちろん、充分に相手の話をきいたうえで、「こういうこと?」とより正しく受け取るための聞き返しは必要なのですが、相手が考えている最中だとしたら…

 

 

いらないです。だって本人の力にならないから。 

 

 

例えば、複数名で話し合いをしていたとします。AとBという案2つがあり、どちらも捨てがたいのでどちらも活かした別案を考えようという場面と仮定して下さい。 こういう時、たいていリーダーとか、他の人より早くCを思いつける人がいます… で、出来たらどうしても言いたくなってくる、と… 

 

 

1人が進める作業なら良いのですが、チームで進める作業なら、これはおそらく、きっと、いや絶対笑、全員に案Cについて思考を巡らせるプロセスを辿るよう、場をデザインしたほうがいいでしょう。 ( 「他の角度から考えてみるとどう?」とか「これと全く別の案があるとしたらどう?」と問いかけるなどして )

 

 

自分がチームメンバーだったとしたら、

 

1.  案Cについて自分が考えた場合
2.  案Cについて自分が全く思考を巡らせなかった場合

 

どちらが「自分の」作業だと捉えられますか? 主体的に動けるでしょうか?
思考を巡らせ、多少なりともアウトプット ( = 書く、言うなど言葉にする ) しないことには本人の力になりづらいんです。 ( だから、ただ与えられた仕事には主体性が発揮しづらいんですね )

 

 

だからこそ、ファシリテーターは、参加者1人1人中からその人の力で言葉を発してもらえるよう働きかける必要があるのです。

 

 

この本には、以下のような言葉も書かれています。

NPOの場合は給料と命令ではなく、納得でしか動かない。そうなるとさまざまな会議のレベル、ポジションで納得を創りだす必要があり、それは感情のシェアを含めた適切な場作りが出来ないと非常に難しい。

 

納得感を持ってもらうには、まず、本人に思考を巡らせてもらうことから始まります。それを自分の力でそれを結晶化 ( 言葉にする ) してもらう、それこそが、主体的な本人の力になるのです。こう考えるようになってから、ミーティングでも普段の会話でも人の話を(以前よりは)待つことが出来るようになりました…。

 

 

最後に、この本で書かれている、私が心に留めている文を端折ってご紹介。NPOのリーダーの方、チームの組織力を上げたい方、特に必見です。

コミュニケーションがうまく出来ないと、よく組織が淀む。それは強いリーダーがいるとそうなります。その人が全部抑えちゃうということが起こります。そういう意味で、リーダーが司会進行している会議っていうのはダメ。

 

そこにファシリテーターが1人生まれて、リーダーもその中で相対化されるような立場でかつ、皆が充分喋らないうちにリーダーが結論を言ってしまうということを避けるようなファシリテートができるようになると、団体は議論がちゃんと活性化して、場合によってはリーダーが首になるかもしれませんが、確実に成長する。組織力が上がるわけです。

 

私は、自分がリーダーのチームで進行をすることも多かったのですが、この一節に出会ってからなるべく進行は交代するようにしています。それこそ、先日別のリーダーシップの記事でも書いたように、全員がリーダーを経験する良い機会になりますし。

 

 

自分だけが頑張っている気がする、、、というリーダーの方がいましたら、ぜひ「ファシリテーション」という関わりをちょっとだけ意識してみてください。

 

 

ちなみにファシリテーターに関心がある方は、ぜひご一読をオススメします。たくさんの本がありますが、昔からある名著だと思います。 P49学習塾でのエイズの話は「参加型の場をデザインすると何が起きるのか」がものすごくよく分かりますし、「こんな場を作りたい!」と思うはず。

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