[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0007_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回は、「人の心を動かすためにどんなことを意識して話せば良いか?」という内容です。私がNPOの活動をしている上で意識している考え方です[/voice]
かなり前の記事なのですが、私が「伝えたい」ことがある時に意識している考え方を現した記事なのでご紹介。
2010年にチリの鉱山で落盤事故が起き、その時の救出劇は被害者1人1人にスポットが当てられて日夜報道されていたと思います。ところが、同時期に起きていたパキスタンの洪水事故のほうが被害が甚大であったにも関わらず、チリの落盤事故よりも人々の関心が寄せられていないのは何故か。その背景にある心理的なメカニズムを考察した記事。簡潔に言うと、
統計データのは、人の道義的感情に訴えかけないので、厳しい現実を数字で見せられても、私たちの心は動かない。
「数として見た時には行動しない。ひとつの例を見た時には行動する」
ということ。
厳しい現実を数字で見せられても、われわれの心は動かない。人間の心は、そこまで規模の大きな苦しみを理解することができないのだ。
われわれは、ひとりの子供が井戸に落ちたら心配で目を離せないが、清浄な水が無いことで毎年何百万人もの人が死ぬことには関心を持たない。雑誌の表紙に載ったひとりの戦争孤児には何千ドルもの寄付が行くが、ルワンダやダルフールで大虐殺が起こっていても無視される。
マザーテレサの言うように、「数として見た時には行動しない。ひとつの例を見た時には行動する」のだ。
記事によると、アフリカ全土の飢餓に関する統計データのリストを見せた時と、1人の飢えた子どもの写真を見せた時は、後者のほうが50%も申し出る寄付金額が多くなったそうです。 寄付をするという行動は実利的な計算に基づくのではなく、感情を揺さぶられるかどうかで行動するかどうか決まるからです。人間は非合理的ですから。
寄付集めでも、営業にでも、論理データによる説得は「理解」は出来ても、行動には至らない。人間は感情の方が思考より自分の本質に近いので、感情が動かないと人は動かないんですね。
私たちが想像出来る個人レベルに、問題を伝えるストーリーを織り交ぜて、共感を得ることが寄付を集める際の1つのポイントだと思います。個人的に、アプローチが上手だと思うのはワールド・ビジョン・ジャパンですかね。チャイルド・スポンサー募集の広告枠にはきちんと1人1人名前、年齢、動画付きでの紹介がされており、私たちが「想像」するのに充分な材料が提供されていると思います。
また、カタリバさんのファンドレイザーの想いのページもいいですね。人の想いに共感し、感情が動けば、人は動きたくなるものです。
私たちは中間支援団体なので、この点、どのように共感を得られるストーリーが提示できるのか、長年悩んでいます。ここを考えきれば、一歩他の中間支援組織と差別化が出来るのではないかと思っているんですけどね。
寄付に限らず、営業で人に「買ってもらう」という行動をとってもらいたいときにも応用が効く話ではないでしょうか。より良いアプローチがありましたら、ぜひ教えて下さいね!