ゴットマン率を知っていますか? 関係性を維持するポジティブ vs ネガティブの魔法の比率

[voice icon=”https://yukogendo.com/wp-content/uploads/0028_original.png” name=”げんどうゆうこ” type=”l”]今回はシステムコーチ® (人と組織の “関係性” を扱うコーチ ) でもある私が、周りとの関係性をちょっとだけ良くし、チームで成果を上げるためのヒントを書いてみます。[/voice]

 

仕事でもNPOの活動でも、リーダーになったとき常に考えなければならないことは「成果」です。
数値目標だったり、社会的な変化だったり、組織により成果の定義は違うと思いますが、どんな組織も何かしらの「成果」を得るためにと存在していると言えるでしょう。

 

では組織で成果をあげるためにはどうしたらいいのか?

 

 

マサチューセッツ工科大学 ダニエル・キム教授が提唱している組織の成功循環モデルによると「関係の質」をあげることだと言われています。

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このモデルはビジネスマン(特にマネジメント層)の方には有名な図だと思うので、その理論や考え方などは検索していただくとして(笑)、今日は関係の質について書いてみたいと思います。

 

NPOの活動をしていて、特にボランタリー組織では関係の質を高める工夫というのは大切です。すごく大切です。ほんとーーーに大切です。

 

もちろん、前述のとおり「成果をあげるために」ということは言うまでもないのですが、ボランタリー組織は会社組織と異なり、金銭契約がありません。会社は簡単に言うと「一ヶ月◯円お支払いするので、◯時間勤務してね!」という契約なので、職場にちょっとくらい嫌な人がいても我慢してしまうこともあると思います。

 

 

でも、ボランタリー組織ではそうはいかない。仕事と平行してボランティア活動に参加しているとイメージしてみてください。仕事以外の時間をわざわざ嫌な人、合わない人とは過ごしたくないですよね。

 

契約がない中で組織をつなぐのは信頼関係。お互い尊重し合える関係か、人生の一部の時間を共に過ごしたい、何かを一緒にしたいと思えるくらい、相手が好きかどうか。「うちの団体は仲悪いけど、成果あがってるよ!」というNPO団体はまだ出会ったことがありません。

 

 

私もメンバーの関係がよくなる仕組み、とか自分がどんな言葉をかけたらいいのか、ということを日々うんうん考えているんですが、先日とあるセミナーで「関係性の比率」というのを習いました。良い関係性を維持していくために知っていると役立ちそうな情報なのでぜひご紹介させて下さい。

 

ゴットマン率というのですが、簡単に言うと関係性を保つ最低限のポジティブな交流とネガティブな交流の比率、です。

 

もし、あなたが友人にちょっとしたことでネガティブな言葉をかけてしまったとしましょう。その友人と関係性を保つために何回ポジティブな言葉をかけるといいでしょうか?

 

 

 

 

 

 

正解は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「8回」です。

 

 

 

 

 

 

第2問。例えば、あなたが恋人にイラッときて叱ったりとネガティブな交流があったとしましょう。その恋人と関係性を保つために最低限、必要なポジティブな交流は何回でしょうか?

 

 

 

 

 

正解は・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「5回」です。 ( 最低限、1回叱ったり、嫌味を言ったりしてしまったら5回は褒めたり、感謝の気持を伝えたりしないとその関係性は破綻に向かう、ということのようです。カップルの方、参考にどうぞ!)

 

 

他にも親と子どものゴットマン比率、上司と部下のゴットマン率など様々なものがあるのですが、私はこの5〜8というのを目安に意識しています。

 

私たちはプロボノ団体なので会える時間が限られており、オンラインのやりとりが多くなってしまいます。だからこそ、その少ない時間でいかに関係性の質をあげていくことができるかを意識しなければなりません。(ボランタリー組織は関係性が破綻したら終わりであるということを肝に命じています…)

 

だからこそ、ネガティブな言葉ばかりを使って組織にマイナス影響を与える人には厳しいですし、採用の際にも「ポジティブな言葉を使うなど、お互いにいい影響を与え合える関係でいたいし、そういう人に仲間になってもらいたい」とはっきり告げます。

 

意図してなくても、他の人に自分の言葉が「マイナスに受けとられたかな?」と感じた時にはより意識して感謝の気持ちを伝えるなどプラスの言葉を使うようにしたり、メンバーの皆がお互いにどんな言葉を使っているかも見たり。

 

もちろん、関係性を維持するだけでなく良好に保っていくためにはこの比率以上のポジティブなやりとりが必要になってきます。ただ、ネガティブな言葉には5〜8倍の力があるということを知っていると普段の人との関わり方も変わってきませんか。

 

もしあなたがリーダーという立場なら、あなたの言葉はその組織における影響力が強いはず。組織を良くしたいと心から願うなら、まずは自分の言葉から変えてみること。

 

そしてもしあなたがメンバーという立場で、成果をあげるために貢献したいと思っているなら、すぐできることは、素晴らしい資料を作ったり、プレゼンテーションをしたりすることでなく、「仲間にプラスの言葉をかけること」かもしれませんね。

 

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対話ができる関係性・チームを築くために ワークショップデザイン × ファシリテーション でサポートする人。 プロフィール

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