組織力強化大賞の組織は「在り方」に力を注ぐ!エイズ孤児支援NGO PLAS様へのシステムコーチング実施レポート

げんどうゆうこ
今回は珍しくシステムコーチングのレポートです。エイズ孤児支援NGOのPLASさんの合宿で行なったセッションの様子を「システムコーチングってなに?」ということと絡めてご紹介させていただきます。組織力・チーム力を高めたいというリーダーの方向けの記事です!

 

先日エイズ孤児支援NGOのPLASさんの合宿でシステムコーチングを実施して来ました。PLASさんのことは、私がNPOマーケティングのセミナー関連で2014年に知り、そこからセミナーに参加させていただいたり、こっそりチャリボンで支援させていただいたりしていた関係です。

 

PLASさんはマーケティングやテクノロジーの活用にも非常に強い団体で、新しいことを取り入れる柔軟性が非常に高い団体です。今回実施したシステムコーチングも既に団体内で何度か体験したことがあるとのこと!今回は単発のセッションですが合宿のプログラムの一部としてご依頼いただきました。

 

このブログでは、システムコーチングとは?という視点から実施した内容などを少しご紹介させていただきます。

 

システムコーチングってなに?

最近あまりブログに書いていなかったのですが、そもそもシステムコーチングって何でしょう? このブログでも過去にいくつか記事を書いたことがありますが、簡潔に書くと、その組織の関係性・コミュニケーションを扱う、複数人へのコーチング (=チーム、組織、夫婦など)です。

 

コーチが今のチームの状態を見て、必要そうなワークを実施したり、お互いに対話したりとワークショップのようなイメージを持っていただけると分かりやすいかもしれません。

 

抽象的な表現になってしまうのですが、「私たちは今後何をやっていきましょうか? (戦略・Do)」のための時間ではなく、(長期的に見ればそうですが) 「私たちは今、どんな状態か? 今後どう在りたいか? (基盤・Be) 」を扱う時間。

 


この図で言うところの右側を扱う時間、と言う意味ですね。

 


よく植物で言う所の土壌を耕すような時間、と表現したりします。

 

「初めて聞いた!」という方は、チームビルディングのワークショップの方法の1つだと思ってください。

 

どんなことを実施するの?

今回は下記の内容を実施しました。

 
  • オリエンテーション
  • チェックイン
  • お互いの違いを知る  (ワーク1)
  • 休憩
  • チームの理想と避けたい姿とは?  (ワーク2)
  • 対話・クロージング
 

 

少しですが、写真も。(当たり前ですが、セッション中はコーチはほぼ写真を取っていないので、あまりありません…。)

 

会場の様子はこちら。 ( 床にあるのはこの団体のエピソードについて書いたものです )

 

右側に置いてあるのが、PLASでのポジティブエピソード

 

左側にあるのがネガティブエピソードです。(ポジティブだけを扱うのではないところがポイント)

 

NPOでは、企業以上に関わりの幅が広い(理事・アドバイザー・職員・インターン・ボランティアなど)ため、このセッション自体も少し関わりに幅を持たせたいと想い、この場に参加していない人のエピソードも集めてみました。

 

今回のセッションではそれらのエピソードを見ながら、この団体の在りたい姿と、将来的にこれは避けたいという姿を対話していきました。  避けたい状態を対話する理由は、避けたい、嫌だと思うことの裏には「これを大切にしたい」という想いが隠されているから。   どちらかというと在りたい姿よりも避けたい姿の方が、組織ごとのカラーが出やすいです。

 

もう1つのワークは、5年後のPLASに対して、お互いにどのような気持ち、スタンスでいるかを聴き合うワークを実施しました。( 写真はありません!ごめんなさい。)

 

どんな時に受けるの?そして、受けたらどうなるの??

個人的には、「お互いのことをもっとよく知り合いたいとき」に受けることをオススメしたいです。お互いのこと、中でも価値観とか大切にしていることとか、今の活動にかける気持ちとか、そう言った内面を聴きあいたいという時ですね。

 

普段の仕事では、ある程度業務にフォーカスをして会話をするのが普通です。時間は限られていますし、効率的に仕事を終えるためにも「今、何をするのか?」「次はどうする?」とDoに関する会話が多いはず。もちろん、私もそうです。



でも、例えば長く働く中で、団体や活動に関わる気持ちが変化していたり、大切にしたいことが変わっているかもしれません。また、「今急ぎで必要ではないけれども」本当は大切にしたいこと、不安なこと、将来のことなどをお互いに知っている組織と知らないけど何となく進んでいる組織、どちらの組織力が高いと言えるでしょうか。

 

少し先の組織の在り方のことを話した時に、メンバーの1人が「そんなに先のことばかり考えず、今に集中した方がいい!」と言う発言をしたとします。この人はもしかしたら目の前の仕事の成果を最大化すること、を大切にしたいのかもしれません。「いや、現実的に3年後の事業ゴールは持って置いたほうが良い!」と発言する人がいたとして、その人は「具体的な共通ゴールを持ちながら、そこに向かう」ことを大切にしたい人かもしれません。

 

そう言う会話がセッションで起きた時に、このセッション1回で団体全員が合意するすごいアイデアが出てくる訳ではないのですが、日々の仕事の中でじわじわとこのセッションで聞いた内容が効いてくる、と言う訳です。 (仕事をお願いするときなど、相手が大切にしたいことを尊重して依頼するなどができるようになっていきます)

 

 

また、システムコーチングではその組織の今の特徴・在り方などが浮かび上がります。例えば、「この組織で避けたい最悪のことは?」と問いかけた時に、「事業の失敗」「この団体が撤退すること」をあげる人が多い組織もありますし、「皆がお互いに無関心なまま働いていること」「 誰にも助けてもらえないこと」など日々の関わりをあげる組織もあります。

 

今、この組織は何を大切にしている組織なのかを自分たちで自覚的になる(*)ことで、その組織の戦略や業務に活きていく、という訳ですね。

*関係やコミュニケーションについて自分たちで気づくというのは非常に難しいため、外部から関わる人が場の設計や進行をする方が良いです。

 

 

今回のPLASさんは職員、インターン、ボランティア、アドバイザーなど様々な関わり方同士でセッションを受けてくださいました。 (団体で合宿を実施しており、そのプログラムの1つに取り入れてもらいました。)

 

コーチ側で「こんな発言がありました!」とは書けないのですが、自分たちが何を大切にしたいかを探求するとともに「自分が何を大切にしたいのか」に立ち返って考えている人が多いような印象を受けました。

 


代表の門田さんのTwitterより。ものすごく感激しました…!ありがたいこと言葉をありがとうございます!!

 

NPOほど、組織力に力を入れるべき理由

私は、組織の運営においては企業よりNPOの方がずっと大変だと思っています。そもそも関わり方の多様性が企業よりも高いですし、金銭という対価の契約とは別の関わりを持っている人もたくさんいます。

 

少ない人数で社会への最大成果を目指し、活動を続ける。そのためには、お互いの信頼関係や、活動に対してどう感じているのか、その先にどう在りたいかを大切にしながら進むことが欠かせません。なぜなら、NPOの活動の目指すゴールこそ、長期的で先の長いものだから。

 

私も自分がNPOの活動に携わっている期間は10年以上と長いので、他のNPOの皆さんも辛い顔して活動するのではなく、一緒に活動する人の関係・コミュニケーションが健やかなものであって欲しいし、お互いの良い関係から、喜びに溢れる活動が生まれるものだと信じています。

 

今回、依頼してくださったPLASさんはその辺りを非常に大切にされている団体で、代表の門田さん、事務局長の小島さん自らが「システムコーチングを受けたいです!」と依頼してくださいました。システムコーチングは、今の団体の良いところも悪いところもありのままに扱うため、経営者によっては敬遠する方もいます。(なので、依頼されるよりも課題などを聞いていった結果、こちらから提案するケースの方が圧倒的に多いのが正直なところです)

 

そこを一歩踏み出て自分たちのことを扱おうという姿勢こと、この団体が多くの方に応援される理由なんだなということをまざまざと体感するような時間でした。 PLASさんは、大きな目標を掲げてクラウドファンディングを達成させ、応援者に多くの勇気を与える、まさに団体として掲げているPositive Livingを組織として体現されている団体です。 2016年にはNGO組織強化大賞という賞も受賞されているそう!

 

 

 

終わりに・・・

私は元々学生時代にNGOでインターンをしており、そこから社会人になって、社会人になってからNPOに関わる形を見つけたいとパラレルキャリア支援サイト*を仲間と運営するようになり、その活動の中でファシリテーションに出会いました。 (システムコーチングもファシリテーションの一つです)

*2018年6月にマッチングサイトの機能は終了しました。

 

私にとってファシリテーションは「こんな社会にしたい」「こんな人生を生きたい」という想いを持っている人の活動を現実的に加速させる、後ろ支えするための技術として活かしたい気持ちが強く、今回の依頼は個人的にものすごく嬉しかったです。

 

 

今回、PLASの皆さんが、生活も大切にしながら今の自分にできることを実践されている様子を受け、ふと自分が学生時代にお世話になった団体に自分は何が出来たのかなぁと、帰りがけに頭を過ぎりました。そこで今回、PLASさんにお支払いただいた金額の一部は、私が始めて「国際協力」に関わるきっかけをくださった団体、地球市民ACTかながわさんに寄付させていただきました。

 

私自身も、「今できることを実践する」私でい続けたいと想いを新たにする時間でした。PLASの皆さん、今回はご依頼くださって本当にありがとうございました!

 

エイズ孤児支援NGO・PLASのHPはこちらから

注:通常コーチ側が許可なくクライアント名を出して、セッションのことを開示することはありません。今回はPLASさんに快く許可をいただいたので記事にさせていただいています。

 

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月に1度の「非構成の場」 寝待月の円坐
次回は9月27日(木) 19:00〜22:00です。
Ordinary worldの中尾聡志さんと共催


「死の対話」 〜死を見つめることは、生を見つめること〜
次回は10月10日(水) 19:00〜21:30です。
INTEGの佐々木薫さんと共催


はじめての方もぜひ、お気軽にご参加ください。
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