OST ( オープンスペーステクノロジー ) って何ですか? 自主性を発揮しやすい対話をしたい方におすすめの方法をご紹介

げんどうゆうこ
今回は、私が企業でも行うことがある「OST (オープンスペーステクノロジー)という対話の方法についてご紹介してみます。話し合いの場を主催する人、ファシリテーターの方は必見の記事です! 

 

OST (オープンスペーステクノロジー ) とは?

OSTとはある程度人数がいる場で、参加者同士が主体性を発揮しやすくなるよう設計された対話の手法の1つです。簡単な流れを示すとこんな手順で行います。

 



 

1.  オープニング
全員がサークル (車座) になり、中心にA4の紙とペンを起きます。
全体の流れと原則を説明した後、テーマ、問いかけを発表。参加者が「テーマ」に対して自分がやりたいことを思いついたら、中心に行って、紙にペンでその内容を記載します。

 

流れを説明しているところ。中心に色画用紙とペンが置いてありますよね。これに話す内容を記載していきます。

 

例えば、「働き方改革を行なうときに、あなたがやってみたいことは何ですか」という問いかけだったとしたら、ある人は「 非生産的な仕事を辞めるには?」を話ししたいかもしれませ「働き方改革を行なうときに、あなたがやってみたいことは何ですか」んし、ある人は「効果的な副業の実践とは?」について話しをしたいかもしれません。

 

また、特に話ししたい内容が思いつかない人もいるかもしれません。(そういう人はテーマを出されたテーマを見て、そこに加わってOK )

 

 

 

2.  検討テーマの提案
話したいテーマを出した人が皆の前で発表をします。

 

例えば、「どうすれば様々な働き方をしつつ、生産性を高めることができると思いますか?」とか「 働きやすさを実現するITツールの勉強会を立ち上げたいです。どうすればうまくいくでしょうか」とか。自分が主体的に話したい、動きたいことで他の皆に「これで話しませんか?」と呼びかけます。

 

こんな感じで、自分が話ししたい内容を紙に書いて、皆の前で発表します。

 

 

 

3.  マーケットプレイス
発表されたテーマを壁に貼り出すなどして、一覧にします。このテーマはここの場所で話す、などを決めておきテーマの発表者以外の人は自由に移動します。

 



 

 

 

4. 集まったグループごとに対話
それぞれのグループに分かれて話し合い。時間がきたら終了です。



 

 

5. クロージング
最後に全体に戻って、最初に話したいテーマを提案した人が感想を伝えて終わりです。

 

 

OST (オープンスペーステクノロジー ) の原則と特徴

ここまでだと「こういう手順の対話方法か 」くらいかもしれませんが、OSTの特徴は「常に、今この瞬間自分の心に沿っているか?」ということを大切に話し合いをする、ということ。

 

つまり、テーマを発表した人が5人いたとして、均等に人数が分かれるよう調整もしないですし、参加者が0人の場合もあるかもしれません。(その場合は、1人で考えるか、他のセッションに混じるか、それもその人が自分の心に沿って決めます。)

 



グループに分かれても、「この話し合い、飽きたな」と思ったら別のグループに行っていいし、また戻ってきてもいい。話し始めたけど、「何となく結論づいたかも」「もう話さなくていいかな」と思ったら解散してもOK。

 

気になるテーマが無かったら入らなくても良いし、また新しいテーマを作って話し始めてもいい。常に自由に選択する空間 (オープンスペース ) なんですね。

 

なので、参加者が「ファシリテーターがこのグループに入れって言ったから」「関心があるテーマがないけど仕方なくこのグループにいます」などという言い訳が一切きかない。完全に自分の自由意志でそこに参加するしかない設計です。

 



OSTではこのような役割があります。コーラーというのは最初にテーマ出しをするときに「このテーマで話ししたい!」と手をあげた人のこと。 Caller (呼びかける人)をそのままカタカナにしているのですが、私は自分が主催するときには「テーマオーナー 」にしています。

 

コントリビューターは参加者。そしてハチ (グループを行き来する)と蝶々 (グループに加わらない、ふらふらしている人)という役割があり、このどれになっても構いません。その時々で変えてOK。 究極に、自由意志で、自分の心に問いかけてこの瞬間の行動を決めてください、というのが特徴ですね。

 

 

 

どんな時にやるの?

OSTはアイデアを広げたあと、実際に実行したいときにその実現方法を話しあうのに適しているとされています。 先ほど例に挙げた「働き方改革を行なうときに、あなたがやってみたいことは何ですか」が開催のテーマ、問いかけだった場合、「こういうことをやりたい!」というテーマを提案する人が現れるはず。

 

そして、参加する人のそのテーマに対して関心がある、話しをしてみたい人が集まるはずなので、その後も実際に活動につながる可能性が高くなります。 (他の対話法と比較して)

 

なので、1日のワークショップだったら終わりの方に、数日の合宿だと後半に設定されることが多い。ただ、個人的には、

 

・グループの当事者性を挙げたいとき
視点を広げたり、洞察を得たいとき
・チームの関係性の構築

 

のときにも使用できる対話方法だと思いますし、実際にわたしが主催するときには必ずしも「活動、プロジェクトを立ち上げたい」場でなくてもOSTを行なっています。

 

開催する時のポイントは?

参加も主催も何度か実施していますが、開催するときのポイントをいくつか。

 
1. 開催テーマへの関心を高めること
例えば、「働き方改革を行なうときに、あなたがやってみたいことは何ですか」というテーマ・問いかけで行う場合、そもそも参加者が「働き方改革って何?」と全く関心がない場合は成り立ちません。

 

OSTを始める前に、ワールドカフェなど、別の対話方法でテーマに対して話し合う時間を作るなど、そもそも開催のテーマに対して、参加者が何かしらの関心や意思を持っているように設計する必要があります。

 
2. 手順の説明をできるだけ “簡素化” し、手短に!
何度か参加者として参加した中で、感じたことですがOSTは、OSTの手順や原則などの説明に時間がかかればかかるほど、テーマ・問いかけを深めて考えるのが難しくなります。

2016年のArt of Hostingの時のもの。意図と目的、流れも目安時間も書いてあってすごく分かりやすかったです!

 

手順や原則は簡潔に、質問も最小限に抑えてもらえるよう工夫し、そもそものテーマ・問いかけを考えるのに時間を使ってもらうべき。

 

「他のグループに行って、また戻ってもいいんですか?」

「蝶の人はずっとその役でいなくてもいいんですか?」

「このテーマが話される場所はどこですか?」

 

など、ルールや方法への質問が相次ぐと、途端に「ルールを覚える」ことにパワーを使おうとし出して、場のエネルギーが落ちます。 おおよその流れは「見れば分かる」 (=覚えるのに参加者の思考や労力を使わせない ) 状態にしておき、「自分たちはどんなことを話ししたいか」に時間を使ってもらえるようにするのがポイントです。

 

これもArt of hosting 2016の時のもの。OSTは蜂や蝶という「役割」を説明しようとするより、ちゃんとその役割の意図を伝えていて分かりやすいなと思いました。

 

もっと知りたい方へ

以上が大まかではありますが、OST ( オープンスペーステクノロジー ) という対話方法についてのご紹介です。もし、もっと知りたいという方がいらっしゃいましたら下記の情報も参考にしてみてください。

 

OST ( オープンスペーステクノロジー ) を開催したい人向け資料
*わたしが作ったもの。 OSTに参加したことがある人が、次は開催してみようかなと思った時用なのですが、欲しいかたはどうぞ。

Art of Hosting VietnamでOSTを実施した日のレポート。
*このブログの別記事ですが、OSTの参加レポートを書いてます。

 

読んだ本の中でお勧めできるもの
*第6章にOSTの説明があります。この本は他の対話法についても書かれているので、対話の場を開きたい人は必須の本です。

 

 
最近発売されたのがこちら。もちろん買って読んでみました。 ( 出版記念のイベントも行ってきました。)
OSTをこういう場面で、こんな風に実践した、ということが豊富に書かれている本。どちらかというとOSTをすでに体験したことがあり、主催したいという人が読んでみるとすごく学べる本だと思いました。

 

 

わたしが初めてOSTを知ったのは2014年のArt of Hostingでしたが、その頃は実践例も少なく、本もそんなに無かったので、ついに「こういう本が出ましたかー!」という感じがしています。いろんなところで開催されたらいいなと思いますし、もし自分の組織でやってみたいと思う方がいましたら、お問い合わせいただけましたら嬉しいです。

 

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開催イベントご案内


月に1度の「非構成の場」 寝待月の円坐
次回は9月27日(木) 19:00〜22:00です。
Ordinary worldの中尾聡志さんと共催


「死の対話」 〜死を見つめることは、生を見つめること〜
次回は10月10日(水) 19:00〜21:30です。
INTEGの佐々木薫さんと共催


はじめての方もぜひ、お気軽にご参加ください。
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