ファシリテーションを学びたい方へおすすめの本 10選


げんどうゆうこ
今回は、私がこれまでに読んだファシリテーションに関する本の中からおすすめの本を10冊ご紹介。初級から上級まで、読む順番などもご紹介しますので、ファシリテーションに関心がある方はぜひ、参考にしてみてください。


今回は、ファシリテーションに関心がある方に向けてお勧めの本を10冊ご紹介します。完全に独断で初級、中級、上級と分けて記載しました。ファシリテーションという言葉を初めて知った人が読むことを想定したものが初級、問いかけやワークショップの様子などを感じとることができるものが中級、在り方やそもそも支援をするとはどういうことかを深めるものを上級としています。




 
<初級>
ストーリーでわかる ファシリテーター入門――輝く現場をつくろう
世界で一番やさしい会議の教科書
ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ

 




1. 世界で一番やさしい会議の教科書

そもそも、私がファシリテーションに関心を持ったきっかけは「自分のチームの会議を良くしたいと思ったから」  なので、初めはファシリテーションという言葉は知らず、会議に関する本を読んでいました。


会議に関する本の中で、分かりやすいのはこの本なのではないかと思います。会議そのものを良くしたくて学びたいなら、「グーグル、モルガン・スタンレーで学んだ 日本人の知らない会議の鉄則」という本が最もおすすめなのですが、ファシリテーションという観点からするとこちらの本の方が捉えやすいです。


この本は会議の進行をする人じゃなくてもできる関わりについて書かれている点が良いですね。「こういう声かけをしてみよう」と小さなステップがたくさん書かれているので、自分が次の会議で何をしようということも見つかるはず。ファシリテーションは誰でもできるということを教えてくれる本です。







2. ファシリテーション 実践から学ぶスキルとこころ

これは、私がファシリテーションを学び始めた時に最初に読んだ本。ファシリテーターが実際に何をしているかが、現場の臨場感とともに伝わってくる本です。「こういう時に、こういうことを考えて、こういうことを試してみた」という実際に行なったことが書かれているので、「ファシリテーターって何をする人なんだろう?」という方はぜひ一読をお勧めします。ファシリテーターと呼ばれる人が、何をしているかが分かりますし、基礎的なスキルについても学ぶことが出来ます。

 

事例はどちらかというと企業の例よりNPOや地域の話し合いで実践した例の方に比重が置かれています。


私はこの本を読むのに合わせてBe natureの連続コースに通ったこともあり、書かれてることの体感もしやすかったです。




企業でファシリテーションを活かしたいと思っているならこの本が最も現場をイメージしやすいと思います。 小売店でワークショップを実施して、出てきたアイデアを元に店舗を改善していくストーリーなので、近い職業の方にはこの本がお勧めです。

 

トップダウンでなく、お互いの意見を聴き合って進んでいくチームとはどういうことか、ワークショップを実施するとはどういうことか、ファシリテーターは何をしているのかということが分かる本。実際にどんなワークショップをこんな風にやったという様子も書かれいるので、参加者の視点でも、ファシリテーター側の視点で読んでも面白いでしょう。

 

ただ、この本はファシリテーターが意見をいうシーンがあり、少しだけ応用が混じっています。(それでも最初の1冊として読んでも分かりやすい部類だと思います)  原則は、こうだけど現場ではこうやって応用するんだなという、現実的に使いやすいイメージで説明がされている本だと思います。

 

<中級>
対話型ファシリテーションの手ほどき
市民の日本語
ファシリテーター蘇る組織
会議のリーダーが知っておくべき10の原則

 




4. 対話型ファシリテーションの手ほどき

この本は、個人的に一押ししたい本なのですが、ファシリテーションを学んでいる人の中でもあまり知られていない本という印象があります。薄い本なので、さらりと読めるのですが、著者が長年培った経験から具体的に、こう問いかけてこんなことが分かったという事例が豊富に書かれており、良書とは決して分厚い本のことを指すのではないと教えてくれる本。



この本は、ファシリテーションに馴染みがまだ薄い人にとっては、問いかけの大切さを実例とともに教えてくれる本ですし、ある程度実践していて難しい質問をしてしまいがちな人にとっては、答えやすい質問をすることのパワフルさを思い出させてくれる本です。


具体的には、「なぜ?」と問いかけるのではなく、「いつ?」「誰が?」「何回?」というように事実を問いかける質問を重ねて、問われた人がどんなことに気づいていくかというプロセスについて書かれています。ファシリテーションは慣れれば慣れるほど「なぜ?」という質問のパワフルさに頼りたくなってしまうのですが、質問に慣れていない人にとって「事実を確認していく」質問がいかに大切かがこの本を読むと良く分かります。

 

私は結構、自己対話や内省に慣れているタイプなので、人にもついつい「なんでそう思うの?」と質問してしまうのですが、この本はそういう人にこそ読んで欲しい本。この本を読んでから問いかけのバリエーションが増えました。

 

購入してから少なくとも3回は読んでいます。教えたくないくらいの良書と言っても良い!




5. 市民の日本語

この本、私のブログによく登場しているのですが、何度読んでもやっぱりおすすめです。(おそらく、初めてこの本を手にした時期が、ちょうどこの本を必要としていた時期だったんだと思います…)


特にファシリテーションを地域活動の中で活かしたい方に特にお勧めしたいです。ファシリテーションとは新しいものではなく、長年受けつがれていろんな現場で活用されていることが分かるとともに、教えるではなく学び合うということがどういうことかが分かる本。


特に、子どもたちへ病気になった患者の人の気持ちを想像してもらうワークショップの話のところが好き(P36〜です!)。私の幼少期はどちらかというと教わる形式で学んできましたが、そのプロセスを変えることで、学び取るに変わるんだなということがとてもよく分かるシーンだからです。


他にも著者が過去に地域のワークショップでこんな実践をしたということが書かれているため、実際にあなたの現場で活かしたい内容も見つかるかもしれません。

 

この本の冒頭にある、「ことばはその人の中からその人の力で出てこなければ、力にならないのです」は、私のファシリテーターとしての礎でもあります。

 







6. ファシリテーター蘇る組織

この本は、ファシリテーターが組織に関わっていくプロセスをストーリー形式で紹介した本です。私自身がやっている仕事内容に最も近いですね。形式としては3つ目に紹介した「ストーリーでわかる ファシリテーター入門」に近いのですが、もっと組織開発よりの内容。

 

企業で外部ファシリテーターに関わってもらうということのイメージがつけやすい本だと思います。(なので、ファシリテーションに関心がある人全てというよりは組織で活かしたい人か、外部ファシリテーターに関わってもらうことがどういうことかを知りたい方にお勧めします。)


実施しているワークショップの内容も具体的に書かれているので、読んでいて「お!これはやってみたい〜」と思う箇所がいくつかありました。組織開発に関心がある方も読んでみると良いと思います。



7. 会議のリーダーが知っておくべき10の原則

これも正直、教えたくない系の良書なのですが周りに知っている人が少ないので、まぁいいかと紹介します。 もし10冊の中で1冊選べと言われたらこの本。前半はファシリテーターとしてのかなり具体的なテクニックが、なぜそれが必要なのかという背景とともに書かれているので、見ながら実践するだけでもかなり役立つはず。

 

そして、後半は自分の不安の扱い方など、ファシリテーターとしての在り方、自分の心の持ち方について書かれています。現在、私自身が使っている手法、取り入れている考え方、場づくりで大切にしていることが書かれているので、正直流行ってしまったら仕事無くなりますね。

 

ただ、この本タイトルとイメージさせる内容がミスマッチなのかamazonのレビューがあまり良くないですね…。ある程度実践している人が読むとDoingもBeingもバランスよくまとまっている本だと捉えるはずですが、会議のHowを求めている人からすると内容が重すぎるため、「求めてるものと違った」となりやすい本かもしれません。

 

原題は「Don’t Just Do Something, Stand There」 ( 解説には、「とにかくないどんと構え立て」と書かれてます ) という本なので、ぴったりくる訳は難しいですね。 

 

確かに私も初心者の時にこの本を読もうとしたらちょっと難しかった印象があります。でも、ある程度実践してきた段階で読み直した時にはすごく感動して、そこからは何度も読み直す本になりました。

 





 

<上級>
プロフェッショナル・ファシリテーター
人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則
プロセスコンサルテーション

 

8. プロフェッショナル・ファシリテーター

ある程度会議やワークショップのファシリテーターの経験を重ねると、自分自身の心のあり方や判断の癖(つまり価値観)が、その場に大きく影響を与えるということが分かってくると思います。


この本は、そんな段階にさしかかってきたときに読むのがお勧め。簡単にいうと「メタ認知」、つまり自分の内側で起きていることを客観的に見て、扱うことについて丁寧に書かれています。


ファシリテーターとしての正念場は議論が荒れている、感情的なやりとりが紛糾しだしたなど、ファシリテーター自身の心が揺らぐ場面ですが、その時の自分の気持ちの扱い方に対してヒントがもらえる本。


この本は、日々の自分の心持ちや習慣についても書かれているので、ファシリテーターを「生き方」にしたい人向けとも言えるでしょう。 話し合いのファシリテーションをしているときに、参加者が紛糾したらすごく不安になって焦ってしまうという方は一読をお勧めします。

 

ファシリテーターでなくても、自分の心を客観的に見たい、扱いたい方にとってもきっとヒントがもらえるでしょう。







9. 人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則

この本はファシリテーターとして組織を「支援するとはどういうことか」について書かれています。


別の記事でも書きましたが、道端で人に道を聞かれた時、あなたはどう答えますか? 大切な恋人がドレス選びで迷っていて「どっちがいいと思う?」と聞かれた時、どう答えるでしょうか? (まさか本当に聞かれてると思って、自分の考えを伝えたりしてませんよね男性の皆さん!)

 

身近な例を用いて「支援すること」を伝えてくれる本です。エドガーシャイン著者の本の中では割と読みやすい…(と言っても結構厚くて時間かかるけど。他の本がもっと難しいので)のではないでしょうか。

 

対人支援の仕事をしている人は、1度は読んでみることをお勧めします。

 







10. プロセスコンサルテーション

現在、私が一番読んでいる本はこちら。読みやすいとは言えない本なので、仲間内で読書会をして読み、個人でも読み、そして今、自分で読書会を開いて読んでいます。

この本は、クライアントと関わる時の心構えや哲学、問いかけや介入の方法などが包括的書かれた本なので、実践者同士で読んでみて、「自分の経験だとこんなことをやってみた」という話し合いをする方が学びになると思います。(正直、文字を追っただけだと何の身にもならない感覚がする本…)

 

この本は、ここまでご紹介した本をだいたい読み、実際にファシリテーターやコンサルタントとして働いている方向けなので全ての方にお勧めという訳ではないのですが、実践者にお勧めの本を聞かれたらこの本をお勧めしています。


繰り返しますが、決して読みやすい本ではないです。上にご紹介した「人を助けるとはどういうことか ― 本当の「協力関係」をつくる7つの原則」という本も同じ著者の本であり、書かれていることが似通っていますので、どちらか1冊ならそちらの方が良いです笑。


実践者が、原則や方法論を何度も読み直すのにまとまった本と言えます。







 

 

以上が、私が独断と偏見によりお勧めしたい、ファシリテーションに関心がある人に向けた本のご紹介です。当たり前ですが、全て私自身も読んだ本なので、1冊1冊が思い出深いです… 。ご紹介した本は、たまたま私が出会った本なので他にもぜひお勧めがありましたら教えてください。

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