自分の考えを深める方法を知りたい方へ KJ法はまとめる方法ではなく、考えを深める方法だと伝えたい

げんどうゆうこ
今回は私がKJ法という「自分の考えを深める方法」を紹介します。私が20代の頃によく行なっていたのですが、最近思うところがあって知り合いの方にファシリテーターをお願いしてKJ法で気になるテーマを考える時間を作りました。KJ法の簡単な手順とともにご紹介します。

 

KJ法=付箋をまとめる方法??

KJ法、ご存知ですか? ワークショップに参加した経験がある方なら、アイデア出しを付箋で行い、それをまとめることをKJ法だと思っている人がいるかもしれません。

 

実際、私もそういう説明をしている場面に出くわしたこともあるのですが、KJ法はまとめる方法ではなく、「自分の考えを深める方法」です。 私は、メディアクラフトの 宗形さんに教わって、自分が考えを深めたいときはファシリテートしていただいているのですが、今改めて深めたいテーマがあったので、先日6年ぶりくらいに受けてきました。

 

私自身がこの方法で自分の考えを深めるのは、、、7〜8回目くらいですが(もっとあるかも) 久しぶりにこの方法で考えを深めてみて、やはりすごく良かったのと20代の頃よりはファシリテーターとしての経験が増えたので、1つ1つのプロセスの意味が以前より分かるようになりました。

 

KJ法が付箋をまとめる方法だという認識が広がっているのは、もったいない気持ちがするのと、私としては自分に向く方法だったので、ぜひこの方法を広めたい気持ちもあり、記事にしてみようと思います。

 

全体の進め方

KJ法の基本は、以下のプロセスで進めます。

  1. テーマを決める
  2. 個人で書き出す
  3. 感覚的に近いなと思うものを側におき、同じカテゴリでOKだと思えばグループ化
  4. そのグループの世界を表す言葉を探る
  5. 全てのグループに対して、シンボルマークを書く

*KJ法には花火と言う方法とA型と言う方法があるそうですが、私がいつも行なっているのは花火という方法。上記は一般的なKJ法花火の手順です。

 

1つ1つのプロセスを解説するとともに、今回どのように行なったかをお伝えしていきます。

 

 

1. テーマを決める
いきなり結論ですが、テーマ決めが一番重要です。KJ法は自分の考えを深める方法だと書きましたが、それはつまり「自分にとって切実で、しっかり時間をとって深めたいテーマ」である必要があります。

 

この後の手順で、グループ化したりそこに当てはまる言葉を探すのですが、それらはそれなりに労力と頭と使います。なので、「まぁこんなもんじゃない?」と進めてしまうと時間を使った割に、自分たちの言葉にならない、ありきたりなまとめが作られることになります。

 

よって、一緒にテーマを考える人も同じくらいの関心、熱量を持っている人が良いですね。今回は私自身が、ファシリテーターとして何年か経ち、改めて自分が大切にしたいファシリテーションの価値を自分なりに深めたかったので、テーマは「私たちにとってのファシリテーションの価値とは?」を昨年から一緒に自主企画をしている平出さんと一緒に考えました。(そもそも、テーマ自体を一緒に考えました。)

 

2. 個人で書き出す



最初は、テーマに対して自分が思うことをラベルに書き出します。 10分テーマに対して話をしてみて、その後5分時間をとり、話をしたなかで自分が言ったことをラベルに書く、を3回繰り返しました。ここである程度、参加者が「出し切った」と感じるまでやることがコツだそうです。

 

また、付箋を貼ったり剥がしたりするプロセスが思考を阻害することを避けるため、ラベルを使うのもKJ法の特徴かなと思います。(プロセスの全てが参加者の考えが深まるように、デザインされています)

 

ラベルは一度、中心にテーマを書いた紙の上に広げてみます。(この様子が花火のようなので、手法自体に花火と名付けられているそうです)

 

 

3. 感覚的に近いなと思うものを側におき、同じカテゴリでOKだと思えばグループ化
今後は、テーマを左上に書いた紙にラベルを移します。移すときには、感覚的に近いものを分けていきます(頭で考えるのではなく、身体の感覚を大切に動かしてみて、しっくりくるようにグループ化するのがポイント)

 

 

考え中の私たち… (そしてなぜか同じポーズ… )

 

 

4. そのグループの世界を表す言葉を探る
KJ法の肝というか思考が深まる最大のポイントが、ここです。ここを拘って言葉を探すプロセスがとても思考が深まりますし、自分たちにしっくりくる言葉を探し当てられるとその後何年も自分を支える一部になってくれることもある。

 

グループ化したものの表札をつけるときに、そのグループに入っているラベルの言葉を見て、ぎゅっと要約しながらその世界を表すような言葉を探すこと、でも抽象化しすぎず、土の香りを残す表現を探求します。

 

毎回、このプロセスが最も時間がかかりますし、どれだけこだわることが出来るかがテーマへの探求度合いに関わります。 グループ化して表札の言葉を考え、またもう一段グループ化して表札の言葉を考え、と2〜3回繰り返します。

 

 

グループの表札を考えるところは、2人で話しつつ、素案を分担して、片方が考えるようにして進めました。

 

大変ではあるのですが、ここで探求してものにした言葉が、その後長く自分の支える言葉になったりする。私は、この「その後の自分を支える自分の言葉を見つける」ためにKJ法で考えを深めていると言っても過言じゃないです。

 

今回のテーマは「私たちにとってのファシリテーションの価値とは?」という非常に切実かつ、言葉にこだわりまくる2人で行なったので、納得いくまで時間をかけました…! (ので、本当は1日で2テーマやる予定だったのですが、1テーマで1日が終わりました笑 )

 

 

5. 最後に全てのグループのシンボルマーク( 一言で表す言葉) を書く
グループ化したものと、1つ残っているラベル全てに、そのグループを一言で表す言葉を書きます。写真の「暗闇に光を当てる」という文字がシンボルマーク。


全体で見るとこんな感じです。

 

ここまでが全体の流れですが、最後にプラスして衆目評価といって重要度や実現のしやすさを、感じるためにドットシールを貼る(今回は赤が重要度、緑が実現性で私たちが感じるところを評価してみました。) というプロセスを入れることもあるそうです。

 

 


 

KJ法はこんなシーンで特におすすめ


宗形さん自身は、もちろんこの方法をご自身の活動に取り入れていて、例えば仕事のプロジェクトの始めに、チームの礎となるように進め方を話し合うのに使ったり、講座などで次年度に活かすための振り返りに使ったりしているそうです。

 

私自身は、自分の方向性をふわふわしたものから、もう少し自分の言葉に帰着させたいときや、既に探求していることでも、より深く言葉を身体に染み込ませたいときにやっています。

 

参考までにこれまでに私がこの方法を使って考えたことのあるテーマをご紹介すると


・自分のはたらきを活かした仕事はどうすれば自ら作り出せるのか? (1人)
・自分の自然なはたらきのルーツを探る (1人)
・身近な人たちを大切にしながら仕事も充実させるには? (4人)
・話し合いを阻害するものは何? (6人)
・私の喜びのコアは何だろう? (1人)
・参加者全員が主体性と発揮するチームを作るには?(1人)
・わたしの “はたらき” とわたしの仕事がなぜ一致しなくなっていくのか? (3人)

1人と書いてあるのが、私1人で考えたもの(笑)で、それ以外は複数名でテーマを決めて考えたものです。ちなみに上記全て宗形さんにファシリテートしていただいてます。実施したのは7〜8年前(27歳頃)ですね。
今見返すと当時作った時に「こうしたい!」と書いたことが、今はほとんど出来ているように思います。

これまでKJ法で考えた自分のテーマの図解(の一部)
今回は特別に模造紙でやってみたのですが、通常はA3の紙で実施します。

 

 

何度も体験したことで、テーマ設定の感覚と、どんな人と一緒にやれば最もパワフルかということが分かってきたため、私は今回探求したテーマが最も良かったです。今後のファシリテーターとして大切に持ち続け、礎にしたい言葉がたくさん見つかりましたし、今後私が主催する場は、今回の体験の影響を受け続けると確信しました。

自分も体験してみたいという方へ


KJ法はまず自分が参加者としてどっぷりつかって、その効果を自分が体感することが一番。

 

私がいつもファシリテーターをお願いしている宗形さんが定期的に「KJ法の花火を使い、思考を深める会」を実施しているので、自分がぜひ深めたいテーマで開催される回に参加をしてみてください。おそらくブログで告知すると思いますので、気になる方はこちらをチェックしてみてください。


宗形さんのブログはこちら

この記事の前半でも、お伝えしましたが「テーマが自分にとって切実であること」が大切なので、「KJ法そのものを学びたい」という理由での参加はおすすめしません。

 

繰り返しますが、KJ法はテーマと、誰とやるかが最も大切です。今回の「私たちが大切にしたいファシリテーションの価値とは?」というテーマは、自分が大切にしたいことを深掘りしたかったので、いろんなファシリテーターの知り合いの中から、「大切にしていることが同じ」人と一緒に実施しました。

 

私はこれが物凄く良かったのですが、ファシリテーションの価値の視野を広げたいという意図ならいろんなタイプのファシリテーターを読んでやるのも良さそうです。

 

今回実施してみて、大げさじゃなくこの時間があった人生と、なかった人生はファシリテーターとしての歩み方や加速が変わるように思いました。ぜひ、この方法がもっと広まるといいなと思っています。

 

<オマケ> ファシリテーターの方へ思考を深める場づくりのヒント

ここからは完全にオマケです。私のブログはファシリテーターをしている人が見てくれていることもあるので、この方法から学んだ「思考を深めるための場づくり」のヒントをいくつか書いておきます。

 

思考を深めるには付箋よりラベルかも!
「身体に聞く」という観点から考えると、付箋よりもラベルを使い、グループ化のところはそれを動かしてしっくりくるところを探すという方法が効果的だなと思いました。(付箋は剥がしたり貼ったりするので、その間少し考えることよりも動作に意識がいってしまう)

 

自分が発言したことを付箋に書く
“個人で書き出す” というところなのですが、「自分で発言したことをラベルに書いてください」とガイドされていたのがすごく良いなと思いました。書く内容が自分が言ったことなので、書くことで更に確かになる感覚がありました。



普段のワークショップで、個人で付箋に書き出す時間を作ることがありますが、自分の発言や言葉を確かにするという意図の場合は、私も「自分が発言したことを書く」という声かけにしてみようと思います。

 

線やテキストはファシリテーターが書く
これは、他のワークショップと大きく違うところかなと思うのですが、模造紙に線を書き込んだり、文字を書いたりすることの大半はファシリテーターが行います。なので、私たちがグループの表札を考える言葉を決めた後、ファシリテーターが模造紙に書き込むという感じ。

 

これ、最初は宗形さんが親切なのかなと思っていたのですが笑、ファシリテーターに書いてもらうとその間思考を止めずに済む(参加者は考えたまま)ので、参加している人が考えを深めるという観点からするとすごく良かったなと思います。

 

普段のワークショップでは参加者が自らが行うように設計しているケースの方が多いと思いますが、文字を書くという作業で思考を少し横に置くより、ファシリテーターが書いて、参加者は考えたままでいてもらうという方が効果的なこともあるなと感じました。

 

 

げんどうゆうこ
これらは私も、今後の自分の場づくりに役立てようと思います。長い記事を最後まで読んでくださった方、どうもありがとうございました!

 

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