IDEALOGUEを体験せよ! ブレストを超える “腹落ち感” と “決める” アイデア出しをしたい方必見の手法をご紹介

げんどうゆうこ
今回もファシリテーター向けの記事です。先日、IAF主催の国際大会 (世界中のファシリテーターが集まり、様々な事例や手法の紹介をして学び合う大会) が大阪で開催されたので、参加してきました。今回は、私が体験したセッションで、面白いなと思ったIDEALOGUEという方法をご紹介させていただきます。

 

毎年、IAF ( The International Association of Facilitators ) では世界のファシリテーターの実践から学び合うカンファレンスが行われています。 先日のCPFの試験に続き、この大会も今年は日本で開催の年だったので今回初めて参加してきました。

 

このカンファレンスは事前にどのセッションに参加するかを申し込みしておき、当日はそれに参加するという流れです。なので、私はファシリテーターとしての事例やプロセスデザイン、手法などを学べるセッションを申し込みました。

 

こんな感じで、それぞれの部屋に分かれて、申し込んだセッションを受けることが出来ます。

 

どのセッションもファシリテーターとしてトップのスキルを持っている人たちが行なっているので、細かい言葉遣いから進め方、空間の使い方まで学ぶことが多かったです。

 

 

経験を学びにして、自分のものにするにはアウトプットが大切だと思っているので、参加させていただいたセッションの中で体験し、「今後私もやってみよう!」と思ったIDEALOGUEという方法を今回はご紹介します。  ブレストやワールドカフェを行う機会がある人におすすめです。

 

 

IDEALOGUEとは?

Pepe Nummi氏によって開発された手法で、アイデアを拡散しつつそのアイデアへの主体性を引き上げていくための手法。ブレインストーミングを超える方法、と紹介されることもあるようです。様々なアイデア出しを行うとともに、そのアイデアの納得感と自分ごと化が高めるため、つまり「収束を丁寧に、着実に行なっていくため」に開発されたそうです。

 

皆さんも拡散は盛り上がったのに、収束フェーズに入ると急にエネルギーが失われたり、合意がしづらかったりといった経験はありませんか。私は、そもそも収束を丁寧行う手法そのものをよく知らなかったです。(現実化という意味ではこのブログにもたまに書いている、プロアクションカフェ をよく実施しますが…)

 

今回のセッションは開発者である、Pepe Nummi氏とビジネスパートナーである、Tony Wang氏とのコファシリで行われました。

 



ファシリテーターのPepe。コファシリ(Co-facilitation、複数でセッションを行うこと)のTonyとの掛け合いがとても良かったのですが、しっかり参加していたので写真撮り忘れました…。

 

 

IDEALOGUEの手順

まず、アイデアを集めたいテーマを設定し、問いを提示します。今回のカンファレンスで行なったのは、

 

ファシリテーションを行うときのBest practiceは何?」というもの。

 

 

ここからは実際のステップを書いていきますね。

 

< 個人作業 >
最初にA4の紙を配られ、その紙に自分のアイデアをリストアップしていきます。

 

 

< お互いのアイデアを共有 →盗む >
個人で作業する時間が終わったら、3人組になり、そのアイデアを聞きあい、そこで相手のアイデアが良いなと思ったら、それを自分の紙に書いていきます。聞いたアイデアを全て書くのではなく、あくまで自分がいいな、取り入れたいと「自分のものにしたい」と思ったものを、自分の紙に書きます。

 

これを組み合わせを変えて3回ほど行います。

 

 

< アイデアを選ぶ >
最後のグループで、共有し終わったらそのグループで「Best practiceだと思うもの」を付箋に書きます。( 複数書いてもOKですが、あくまでBest practice、なので付箋の数は少数に留めます )

 

 

(個人的な考察1)  3人組でアイデアを共有しあって盗み会うとき、グループで話終わったときにファシリテーターがよくやる「 グループでどんな話が出ましたか?」という関わりはしないのがポイントの1つのように私は思いました。というのも、それをすると話をしたアイデアをグループのものにするニュアンスが含まれるからです。全体共有をしないっことで、あくまで「自分が良いと思うアイデアを集めて言っている」という感覚が強まりました。

(個人的な考察2) このお互いのアイデアを共有 → 盗むステップなのですが、英語で「steal with pride」と表現されているのがこだわりだと思いました。prideとは直訳すると誇り、ですが、 prideという表現を使うのは「 なぜそのアイデアがbest practiceだと思ったのか?」という意図まで盗むという意味を込めているからだそうです。

 



 

書いたら壁に張り出して全員で眺める時間を作ります。

 



 

ファシリテーターは「もし書かれている内容で分からないものがあったら質問してください」と伝え、分からないものがあったら参加者同士が質問し合うようにしていました。(これも、付箋を貼りだす人が説明しないのがポイントに感じました。そもそも何度かメンバーを替えていろんなアイデアを既に聴き合っているのと、説明すると発表者の色が少しだけ強くなってしまうからです。)

 

その後、「実際にあなたが実践に取り入れたいアイデアはどれですか?」という問いかけられ、
「実践したい」と思うアイデアにサインをします。(複数選択可能)

 

(個人的な考察3) 通常はドット投票と言って複数枚のシールを貼ったり、ペンで印をつける方法の方が一般的だと思いますが、サインをすると、本人の責任感が生まれやすいのと、シールよりも体感があって良いなと思いました。ただ、企業などで立場の違う方が集まっている場合の時は、えらい人の名前が書かれていると途端に影響力を持つので、シールの方が良いと思うし、ケースバイケースだと思います。

 

 

カンファレンスの時は時間の都合上、ここまでしか行なっていないのですが、実際はこの後必要に応じてアイデアの優先度を話し合ったり、
実際のロードマップに実施するアイデアを置いて行き、詳しく誰が、いつまでにを決めるなどのステップを入れるのだそうです。

 

※ちなみにここに書いた手順はこちらに全て公開されていますので、英語でOKという方は見てみてくださいね。

 

どんなときに使うと効果的?

使用するシーンは、今回のように

 
  • Best practiceを集めるとき。
  • 問題を定義するとき(何が問題の本質かを皆で話し合って決めるとき)
  • ビジョンやアイデアを出したいとき、
  • アクションを決めたいとき
 

などに実施するそうです。

 

今回のカンファレンスで説明されたわけではないのですが、個人的にやってみたいなと思ったのは
「振り返りのセッション」のときです。

 

 

振り返りってペアになって話して終わりとか、振り返り用紙を書くくらいしか私の技がなかったのですが、
この方法だと集合知的に学んだことを収穫することができるので、1日とか2日のセッションでいろんな対話を行い、最後に今回のプロセスから何を得たのか?を明確化する時間をとり、その時のこの手法を実践するというのは今後ぜひやってみたいと思いました。

 

 

背景にある大切な考え方

今回、興味深かったのはこの手法を支える考え方をきちんと聞くことができたことです。
この手法は「収束フェーズを緩やかに、でも確実に」行うことを意図している手法だそう。

 



こういうイメージ。ファシリテーターが場を設計する時、拡散・収束を意識して設計すると思いますが、その時に拡散のための手法ってたくさんありますが、収束のための手法ってあまり多くないと思いますし、私自身も、時間をかけて対話するという感じで行うことが多かったです。

 

出したアイデアに対して主体性、責任感を持つことや、1人の学びを集合知に繋げるためにとても役立つ方法だと思いました。  せっかく開発者の方が日本まできてセッションを実施してくれたのですから、「面白かったです!」だけでなく自分でも実践で使ってみたいと思います。

 

 

 

 

 

いかがでしたでしょうか。
今回のセッションは、導入の説明、チェックイン、振り返り、↑上記のワーク、クロージングと全ての流れが意図を持って設計されていたのがよく分かり、「さすがプロのファシリテーター…‼︎」と唸りました。 他に取り入れられていた細かいTipsも、別の機会にまとめようと思います。

 

 



< おまけ >
体験セッションを実施してからしっかり振り返りの時間をとり、この手法のどこが良かった?どこがいまいちだった? どこで使う?と話し合いをしました。参加者もほぼファシリテーターばかりなので、この話し合いをした後の共有や質疑応答も、ものすごくためになりました。===============================
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月に1度の「非構成の場」 寝待月の円坐
次回は9月27日(木) 19:00〜22:00です。
Ordinary worldの中尾聡志さんと共催


「死の対話」 〜死を見つめることは、生を見つめること〜
次回は10月10日(水) 19:00〜21:30です。
INTEGの佐々木薫さんと共催


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