参加者主体の場づくりとってどういうこと? 場づくりをする全ての人に読んでほしいおすすめの1冊

げんどうゆうこ
今日はまたしても私のおすすめの本のご紹介です。参加者主体の場づくりをしている方、またはワークショップって?参加型ってどういうこと?と感じている人にもおすすめの1冊。この本も私が繰り返し読んでいる1冊です。

 

以前、ブログでかかわり方のまなび方という本をご紹介しました。

その時にもちらっとご紹介したのですが、今回は市民の日本語という本をご紹介させていただきたいと思います。

あなたの仕事は生き方?職業? ファシリテーターを “生き方” にしたい方へ絶対おすすめの1冊



この本は副題が NPOの可能性とコミュニケーションとあるので、もしかしたらパッと見ファシリテーターの方は手に取らないかもしれません。要は、「参加者主体の場づくりをするには?」という問いにたくさんヒントがある本。

 

ワークショップデザインをする人には必須の1冊だと思います。 私が持っている本の中で最も折り目と線が引かれている本かもしれません。

 


私は「大切にしたいことは、時に意図的に教わらない」ようにしており、ワークショップデザインはあまり体系的に学ばないようにしていたのです。なので、ワークショップデザインはどうやって学んだのですか?と聞かれたら「市民の日本語」という本を繰り返し読みまくって、自分がワークショップに参加し、自分だったらこうデザインするな、ということを試行錯誤した、が答えになります。

 

 

著者の加藤哲夫さんがご自身の経験の中で実施した場についても書かれているため、「参加者が体験的に学ぶの場」ということがどういうことなのかが分かるのと同時に、その場を開くファシリテーターとしての心までも伝わってくる、そんな1冊です。

 

 

本当に、ファシリテーションを学び始めた初期の段階でこの本に出会えたことはすごくラッキーだったなと今でも思っているくらい。 私のことをよく知っている人がこの本を読んだら、私がいかにこの本から影響を受けているかが分かると思います。

 

 

まず、参加者主体の場というのはP36から始まる小学校の授業でエイズのことを子どもたちに理解してもらうために行なった手順を読めばよく分かります。(ここだけ短く編集して抜粋しますね。)

まず先生と協力してくじみたいなカードを作って、カードに学校の先生であるとか、お父さんであるとか、兄弟であるとか、仲の良い友達であるとか、いつも自分をいじめる嫌な友達とか、いろんな周りの人々のことを書いておいたんです。それをくじで引くようにしたんです。

あらかじめエイズについての簡単なお話をした上で、「もし引いたカードに書いてあったその人がエイズという病気であるということを聞いたら皆さんはどんな風に感じますか」ということを質問しました。「何を感じたか」ということを、画用紙とマーカーを配って書いてもらうということをやったんです。

「感じたことを書くんですよ」と言ったんです。「正解を書くのではなくて、だって正解はないんです。感じたことを書いていいんですよ」と言ったら、何人もの子どもが「本当に書いていいんですか」と聞くんです。これはやっぱりショックというか、すごいなと思ったんですね。

内側から「感じる」のではなく外側の正解を「当ててしまう」わけです。これを繰り返すと、セルフエスティーム(自尊心・自負心)が崩れていくわけです。

たとえばお母さんとか、大事な先生が病気になったと聞いたら「かわいそうだ」というのがかなりあるんです。でも、一人ずつ一枚のくじを引くので、その人によってカードが違うんです。そうすると、嫌いな子の顔でも思い浮かべて「ざまあみろ」って書いた子がいたんですね。これはおそらく手をあげて喋らせたら、なかなか喋らないと思うんです。

この画用紙を黒板に磁石で全部貼ったんです。そして一枚ずつ読み上げたんです。「ざまあみろ」って書いた人もいますね」と確認をするんです。でも、絶対に私はそこで、「悪い」とは一言も言わないんです。

それからもしお母さんがそういう病気だったら「とてもかわいそう」と思う子もいた。それから「悲しくて泣いちゃう」という子もいたということをまずみんなに味わってもらうということです。

その後でどうしたかというと、このたくさんの言葉が病気になった人たちに対して向けられていることを確認する。彼らに対してあなたたち一人一人が思っていることがここにありますね、と。それでは「あなたたち自分自身がいま、この病気にかかっていることがわかったとしたら、お友達は、お母さんは、先生は、きっとこの黒板に貼り付けてあるようなことをあなたたちに対して感じるんですよ」ということを言ったんです。立場が逆転するわけです。

そして「みんながボードに書いてるように感じているとしたら、今度はあなたたちはそれぞれどう感じますか」ということを聞いたんです。そうすると、一番印象的だったのは「かわいそうだとは思われたくない」という子がたくさん出るんです、これが一番印象的だったですね。

人間は、人に向かってかわいそうだと思えるんですね。しかし、自分が憐れまれたくないという感情も持っているんです。プライドのようなものです。この二つが一人の中で、あるいは教室という場の中でその瞬間に衝突をしたわけなんです。ここからおそらく子どもたちは何かを感じたと思います。


かなり短く書いたので、本当はこの行間に詰まっている著者の言葉を読んで味わって欲しい気持ちでいっぱいなのですが、それでもなんとなく、「参加者が体験して学ぶこと」がどういうことかは分かるのではないでしょうか。

 

 

他の事例も地域の活動のものが多いので、NPOや地域の活動をしている方、また地域向けにワークショップをされている方は、手順だけでなくその手順の意図や大切にしたいことなどと共に学べるため、ぜひご一読を・・・!この本、線を引きまくりなので、他にどこを紹介したものか…なのですが、私に響く詰まっている最後のページを。


私が場づくりをする時に大切にしたいと思っている視点です。新しい本も読まないわけではないのですが、なんかこう、、古い本に惹かれるんですよね。

 

 

人生のうちで1冊であっても、こういう誰かの心に残る1冊を書いてみたいです。

 

 
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